自衛隊体育学校特別体育課程の紹介
第4回

山下 輝男

 

Q1:特体課程設立の目的や趣旨について説明して下さい。

A1:昭和30年前後において、国の内外を通じ一般社会でも体育の重要性が論じられるようになり、自衛隊においても戦力の骨幹が健全な精神と頑健な体力を持った隊員であることから、体育の飛躍的振興が必要との考えがあった。

 このため、体育指導基幹要員のより組織的かつ速急な養成の緊要性が生じ、独立した総合体育教育組織の編成について検討がすすめられていた。

 一方、昭和35年のローマオリンピックで日本勢があまりにも弱く、当時の防衛庁長官が、諸外国の競技者に軍人が数多く含まれ、尚且つ、活躍していたこと、昭和39年に東京オリンピックが開催されることに鑑み、自衛隊に体育の専門学校を設立し自衛隊で強い選手を養成しようと考え、昭和36年8月に陸海空自衛隊の共同機関として自衛隊体育学校が創設された。
 
Q2:特体課程の学生の種目別の在籍状況は?

A2:平成24年4月現在149名在籍しています。うち女子学生は35名です。内訳は次表の通りです。
レスリング
ボクシング
柔道
射撃
ウエイトリフティング
39名(11名)
11

14名(7名)
20名(4名)
16名(5名)

アーチェリー
陸上
水泳
近代五種
合計
6名(3名)
16

12

15

149名(35名)

 
Q3:外国の軍隊に体育学校と類似した機関がありますか?

 大韓民国、ロシアには同様な組織があると聞きますが、具体的な情報はありません。
Q1で述べましたように、オリンピックで活躍している軍人が居ることは確かであると思われます。

ローマ、東京オリンピックの男子マラソンで2連覇を果たしたアベベ・ビキラはエチオピアの軍人であったことはよく知られています。
 
Q4:特体課程学生の採用及び採用後の勤務状況等は?

A4:2つのコースがあります。
大学卒業者を対象とした即戦力として期待する「2等陸(海・空)曹等としての採用」と高校卒業者を対象とした「一般曹候補生・自衛官 候補生としての採用」です。
 

Q5:2等陸(海・空)曹等としての採用の場合の基準、待遇、昇任等は?

A5:下図の通りです。
 


自衛官としての基本教育を約1ヶ月受講することとなっています。

 
Q6:一般曹候補生・自衛官 候補生としての採用の場合は?

A6:下記の通りです。

  新隊員教育を約6か月受け、一般部隊に配属され、特別体育課程学生候補者集合訓練を経て選考により特体課程学生となります。
 

Q7:ナショナルチームとの関係はどうですか?

A7:ナショナルチームに直結した指導を行っている。
体育学校の指導陣は各競技の強化委員及び日本代表ナショナルチームの指導者として活躍しており、体育学校でのトレーニングはナショナルチームのトレーニングに直結している。

まさに、体育学校のトレーニングメニューはナショナルチームと同様のクオリティをもち、日本国内で考えられる最高のコーチングを受けられる。
各種専門のトレーナーも配備され、フィットネス、スキル、メンタル、栄養などの観点から充実したサポートを行っている。
また、体育学校には専属の医官も常駐し、オリンピック日本代表を目指す選手にとって、最も有利な指導体制が整っている。

  指導陣は下記のとおりである。錚々たるメンバーが選手と心を一にして情熱的に指導を行っている。

○レスリング
伊藤広道監督:日本レスリング協会男子強化副委員長=兼グレコローマンヘッドコーチ
井上謙ニコーチ:日本レスリング協会男子強化委員フリースタイルコーチ
元木康年コーチ:日本レスリング協会男子強化委員グレコローマンスタイルコーチ
藤川健治コーチ:日本レスリング協会女子強化委員女子コーチ
笹山秀雄コーチ:日本レスリング協会女子強化委員女子コーチ

○ボクシング
本博国コーチ:日本アマチュアボクシング連盟常務理事兼選手強化副委員長・JOC評議員

○柔道
酒井英幸監督:全日本柔道連盟選手強化委員(男女寝技担当)コーチ

○射撃
木場良平監督:日本ライフル射撃協会ナショナルチームライフルコーチ

○ウェイトリフティング
西澤勝美監督:日本ウエイトリフティング協会選手強化委員

○陸上:平田和光監督:日本陸連強化委員中距離部長

○水泳:伊藤秀介コーチ:日本水泳連盟競泳委員

○近代五種:才藤浩監督:日本近代五種協会強化委員長