「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第7回 教育(才能、タレント)について(3)

堀口 紀博

 将棋の米長元名人によれば、講演会場で将棋を知らない奥様方に並べ方、動き方をほんの1時間程度教えると1級から級外まで実力が分布するそうです。人間の才能、能力、外見(身長、体重)等が数学的に正規分布する一例です。
 高校野球の監督は、選手は鍛えれば甲子園に行けると言いますが、本音では、才能(タレント)あるものを集め、鍛えなければ甲子園には行けないと言います。
 雪祭りの大雪像を作るために、大きな雪の塊をまず作ります。雪像作りの名人(隊員)は、脚立に乗って塊をへらで概略削っていきます。直ぐ目の前にある雪の塊(高さ4,5 メートル)を形作る作業は、まるでマジックを見るようなものでした。これは指揮官であるから出来るものでは無く、まさに才能でした。
 オリンピックで金メダルを取るために、中国では全土から才能のあるものを、小学生以下から集め教育訓練を行って金メダルを量産しました。
 才能の種類には、知的才能、技術的才能、芸術的才能、運動の才能等が考えられます。才能とはなんでしょうか?何処から来るのでしょう?
 才能は、生まれつき備わっている物で、後天的ではなく、DNA レベルで決まっている分野もあります。しかし、それだけだったら、世界はこんなに進歩も発展もしなかったのではないでしょうか?
 世界一や、オリンピックのレベルでない、日常生活、社会生活において、個人の天賦の才能が左右する事は、そんなに重要ではありません。それでなくては、平凡な生活を送っている大多数の人間には逃げ道がなくなるでしょう。天賦では無く、自分で努力する、開発することで出来上がる才能もあります。
 それはどんな才能かと言えば、一つの事を飽きずにすること、苦痛無く、退屈でも続けられる才能ではないかと思います。「好きこそ物の上手なれ」と言います、更に言えば、やっている事を、「楽しむ事が出来る」才能です
 才能がある分野でも、人は結構中途半端で終わる事が多くあります。どんな事でもまあまあ出来るが、どれ一つ物にならない人がいます。「器用貧乏」です。
 天賦の才能が並外れている人(天才)は別ですが、凡人には「この続けることが出来る才能」を自ら開発努力していくことが、生きていく中で重要であると、皆様の経験も証明しているのではないでしょうか?入社以来、最初から最高で最良の人はそんなにいないと思います。しかし、最高で最良の社員たらんと努力する事で、し続けることでそのような存在に近づけるのではないでしょうか?
 最良で最高の社員はどんな人々か、自分でアイデアルな存在を意識して、苦労を感じず、楽しく、行動しつづける、そんなグループが出来上がっていけば、100年の大計も無理なく、無駄なく、達成できるのではないでしょうか?第二の才能(努力できる才能)を皆で開花させ、会社を発展させましょう。

(了)