「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第11回 思考の3原則
  (その2:多面的できれば全面的に的に考える)

堀口 紀博

 日本の領土は、北方4島、竹島、尖閣諸島、沖の鳥島と不法な近隣諸国によりとんでもないことになっています。もう少しすれば、沖縄もわが国のものであると中国は言い出すかもしれません。領土は、それを問題としたいほうが、状況、我に利ありとすれば、わが領土であると発言するものです。
 領土問題とされているものを少しおさらいすれば、「北方4島」は日本の領土であり、戦争末期のドサクサ紛れに、不法な実力行使により、ロシアに奪取され現在の状況になっています。しかし、ロシア側からすれば、正当な方法により、自国の領土になり、なんらの問題も存在しないものであると思っています。「竹島」は日本の固有の領土を韓国が無法にも侵略し実行支配しており、あろう事か、声高々に日本の不法をマスコミ、国民は叫んでいます。「尖閣列島」は日本の固有の領土であり、中国は過去なんらの発言もしてこなかったが、国力が増してきた現在、海底資源問題や領土的野心から、中国のものと実力行使を辞さぬ行動に出ているところです。「沖の鳥島」は日本は領土と言ってますが、中国は環礁にしか過ぎず国土ではないと発言しています。「真実とは」見る人、見る方向、時代により容易に変化する一例であります。
 商取引に関して言えば、価格は、売る側から見れば高いほうがよく、買う側から見れば安いほうが良い。売る立場から考えればなるべく高いほうが良いが、買う側から言えば、安いほうが良いに決まっています。「盾と矛」の関係です。
 人は物事を見る、考える時、まず、自分の立場から見ます(単面的)。ひどい人はその立場から決して動かず言い張る、言い募ります。しかし、相手の立場から見てみると(2 面的)自分の言っていること、考えていることは少し変ってくるものでしょう。第3者の立場即ち社会的側面から見てみれば(多面的)、また異なる局面が見えてきます。この上更に、歴史的観点から見れば立体的な考え方になってくるものです。上下左右から考える、これに時間的観念(時間軸)を加えることにより全面的な思考が可能になると思えます。
 現職時代よく言われたものです。「何事もよく考えよ」と。まず、自分の立場で考えよ、ついで、部下の立場で考えよ、同僚の立場で考えよ、上司の立場で考えよ、最高指揮官の立場で考えよ、そして社会的影響を考えよ。
 考えて、考えて、考え抜いて、頭に汗をかき、更に考えよ。そして、考え抜いたことを一度捨て去って、残ったものがお前の考えだ。そこまでやらねば、人の命を預かって、国を守ることは出来ないぞ。「立派な自衛官」でした?
 人間が見ているものは、前から見れば丸くても、後ろから見れば四角くて上から見れば平面で、下から見たら立体かも知れません。「どんなものか?」
 これが「真実だ。これしかない。」我の考えが最善・最高などと誤解せず違う立場もあるんだな、と身軽に、多面的・全面的に考えようではありませんか。

(続く)