「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第17回 リーダー(指導者)の条件

堀口 紀博  
(2011年5月記)

 リーダーにはどのような条件が必要でしょうか?現在の日本の最高指導者は酷い批評を受けています。
 用兵術(人遣い)が下手である。分かりやすい組織を作り、指揮命令系統を一元化し、有能な指揮官(現場責任者)に情報を集中し、迅速果敢な実行をしていない。
 自分の欲望、満足感を口にし、安易な思い込みにより、当然の手続きを無視し、しくじる。総理大臣とて何でも言えば出来るわけではない。思いは見えないけれど、思いつきは誰にでも見透かされます。問題解決せずに、新たな問題を提起し、当面国民を目眩らましする。
 「福島原発の周辺には10 年住めないのか20 年住めないのかと言うことになってくる」と言ったことを言わないと平然として嘘を言う。(選択5月号より)即ち用兵術が優れ、思いつきが無ければ、リーダーの条件があると言えます。
 イタリアの高校で教える指導者に必要な資質とは、
 知性知性の定義は、はなはだ難しいものです。知識があるとか、学歴があるとかでは無く、知識が智慧に変り、行動でき、他者、弱者に対する思いやり、優しさ、美しいものを美しいと愛でる心、個人として肩書きを外しても傍にいたいと思う人間的魅力、公と私を峻別し、自分を捨てる覚悟(金も名も命までいらぬ:西郷隆盛)決して嘘は言わず、言ったことはやる(信)。
 説得力プレゼンテーション能力は重要ですが、説得力とは分からない人に分からせる(人をみて法を説け)、分からないからといって怒らない(怒りを移さず)、人生に簡単、単純なことはないから、煩瑣を厭わず説得して納得させる。教育者としては教えてほめる、悪い教育者は教えず、怒る。「やって見せて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かず」(山本五十六元帥)
 肉体の持久力人生はあんがい長く、「無事これ名馬」です。肉体が疲れれば、何事も成し遂げられません。三宅義信氏(重量挙げ金メダリスト)によれば「心技体」ではなく「体技心」。体が弱ければ、技も心も出来あがらない、健康が一番です。
 自己制御能力組織の中でリーダーは何でも出来るから、我が儘を言わず、怒らない。自分の前にいる人は自分ではなく、思い通りに行くことは何もありません。自分が一番思い通りになりません(ならぬ堪忍するが堪忍)また、「七情(喜怒哀楽愛悪欲)賢愚を問わず」と言います。感情を激発させず、なるべく抑えなければいけません。
 持続する意志力「やると言ったら必ずやる」あきらめない。必ず出来ると思い続けることが重要です(臥薪嘗胆)。
 これ以外によく言われるのは判断力、決断力、実行力ですが、これらの資質は人間として当然の能力であると教えます。

(続く)