「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第19回 休暇日数

堀口 紀博

 夏季休暇も終わり秋の収穫期に入ってきました。近年日本人は働きすぎるとの声があり、休め休めの合唱が聞かれます。1年365 日休暇日数は?夏季休暇、年末年始休暇、創立記念日、祝祭日、土日の合計は129 日です。有給休暇20 日を加えると149 日です。3日働いて、2日休む計算になります。聖書では6日間働き7日目を安息日にせよと言ってますが、なんと休暇が多いことでしょう。現職時代、部下に代休消化の休暇を付与すると、やることもなく、家族もそれぞれ学校、アルバイト等で居ないため「小人閑居にて不善をなす」となり、パチンコで大敗し、仕事に来ていたほうがよかったと文句を言われました。休暇とは家族共々、心身ともにリフレッシュし、仕事にやる気を出させるためのものです。目的のない休暇は「不善」に過ごしやすいものです。農耕民族は休みなく働き続けないといけません。日本人はいつの間にか「働かない民族」になってきました。因みにローマ帝国の最盛期は1日働き、1日休みで、特に体力的にも精神的にも大変な辺境の防衛などは傭兵に任せました。これがローマ帝国崩壊の理由の一つです。休暇日数から見れば、日本も滅亡の危機に瀕しているのかも知れません。稼動日数216 日、全体の6割です。本当にがむしゃらにわき目も振らずに全精力で効果的に仕事をしているでしょうか?お茶を飲んだり、タバコを吸ったり、雑談したりと、かなり非効率になっているかも?仕事は時間があるから出来るものでもありません。もちろん時間がなければ出来ません。作業は効率の低下はありますが、時間があれば出来上ります。仕事と作業は異なるものです。仕事は頭を使い、作業は手足を使うものです。稼動日数は6割、仕事は如何に合理的に時間をかけずに行うかが重要になってきます。仕事の目的・目標(良い製品の開発、売上げ上昇等)を明確に定め実現性のある計画を十分に練り、実行の条件(人、物、金、情報)を付与します。可能性を付与せず実行させることは、「竹やりでミサイルを打ち落とす」式の精神主義になってしまいます。労多くして効少なしです。更に、稼動日数6割で、100%の成果を挙げなければいけない時代には、そのための仕組みも考えなければいけません。上から下まで、全員が脳漿を搾って、少ない労働時間で最大の成果が上がる効率的な労働環境と仕組み作りが必要でしょう。実行後はその成果と問題点の検証、即ち業務分析・問題分析が必要です。その業務分析・問題分析の成果を全員で共有することにより、組織としての歴史を積み上げることが出来ます。過ちを二度と起こさない強い組織になることが出来ます。やりっぱなしでは、問題は何度も起こります。こんな不幸は二度と起こさないで欲しいと言う言葉を何度も聴くことになります。時間が少ないからこそ、やらねばいけないことはきっちりとやる必要があります。でもそれにつけても休暇日数の多さは日本と日本人の活力を引下げているように感じます。

(続く)