「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第38回 新入社員教育を実施して

堀口 紀博

 平成26年度本社新入社員20名に対し5月30 日教育を実施します。「人を見て法を説け」と言うように、相手の各種レベルを知らないと効果的な教育は困難です。
 教育とは相手を知るところから始まります。しかし、近頃は個人情報をうるさく言うようになり中々情報が得にくくなっていますが、新入社員は全員かなり均質な素材であるので、少しは楽に感じます。
 昨年同様、今年も「10 年後、自分は何をしている?」との題でレポートを出してもらいました。昨年と比し、少し変化が見えます。この変化は各部署に配属されたとき所属長は感じることが出来ると思います。教育後「教育所見」を出してもらいます。これは教育の成果を確認するための作業です。良かった。
 参考になったと言われれば成功ですが?この所見が事後の教育に役立ちます。以下教育項目を示します。
1会社を選んだ理由と会社に選ばれた理由
 多くの人は医療業界に入りたかったと明確な理由があります。各人希望がかなったわけですのでこの点からは鍛え甲斐のある新人です。
 会社の選択とは、彼らに期待するところ(期待値)があるからです。この期待値を各所属部署で丁寧に教えてもらいたいと思います。
2学生と社会人の相違について学生から社会に、そして、会社へ!
 プロとアマチア、自立と寄生、均質社会と複雑社会で表されます。学生は社会や親に養われている存在です。生活上はアマチアであり自立した存在ではありません。社会人になることは自分で自分の身を養う(自立)ということです。社会(会社)の環境は、均質な人々の集団ではなく、年齢構成、所属、階級、給与等かなりの複雑系です。自分の周りは、同じような人でないことを強く自覚しなければいけません。
3会社の目的
 公務員は「世のため人のために働くこと」になっているので、税金で処遇されています。私は自衛官生活で給与がどこから来るのか考えたことはありませんでした。毎月18 日には給料が、6月、12 月にはボーナスが天から降って来るような状態でした。しかし「会社」では自分の給料は自分で稼がねばならない仕組みになっています。会社の目的は「正義を行い、利益を得る」ことです。
4勉強をする
 学生の本分は「勉強にあり」ですが、社会人の本分も又「稼ぐために勉強をする」「教養をつける為に勉強する」と思います。
5どんな勉強をするのか?
 「ポータブルキャリアを持て」と外国企業では言います。どこでも活用出来る資格です。語学や各種公的資格を獲得することも必要です。しかし、免許皆伝(公的資格)になっても本当に使える能力になるには更に一層の努力、経験が要ります。例えば、医師の免許があるからといって直ぐに心臓手術など出来るわけもありません。資格条件を全て満たしても(免許皆伝)実社会・実場面で使えるかどうかは不明です。鉄砲も的に当てることは出来ても敵に当てることは難しいことです。
6教養講座知者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ
 歴史認識をしっかりと持たねばいけません。「日本の国は良い国だ」と言える様に日本歴史を学びましょう。参考書は「逆説の日本史」井沢元彦。中国の歴史は「十八史略」陳舜臣、中国18 王朝の略歴です。如何に中国人は良くも悪くも凄いかが分かります。(日本軍は生きて虜囚の辱めを受けずと教えました。これは日本軍捕虜が過酷な処分を中国軍から受けたためでした)世界の歴史は「ローマ人の物語」塩野七生、欧州の都市は全てローマ帝国が築いたものです。全ての道はローマに通じる。
7医療機器の将来予測
 医療機器産業か医療情報産業か?(機器か情報か)
ブレークスルーは何時、何処で起こるのか?

(続く)