「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第42回 人材教育

堀口 紀博

 日経ビジネス課長塾が評判良く25 年度は東京・大阪・名古屋・福岡で開催回数が増加しているそうです。教育内容は優秀な中堅・若手に求められる能力の向上を図るため、
 1.業務スキル向上;その内容は、数字を読む力、業務上の優先順位の設定の仕方、ロジカルシンキング法、直観力・感受性の向上です。業務改善能力の向上や課題解決、戦略立案が出来るようになるそうです?
 2.コミュニケーションスキル向上;対自分、1対1(対上司、対後輩、対同僚)、小集団とのコミュニケーションスキルの付与、その内容はストレスマネジメント、後輩の育成、上司との信頼構築、社内調整力のつけ方を学び将来的にはチームを纏める力がつくそうですが?
 3.キャリアー開発;自己分析、自分はどうありたいかを知る。これらの教育は5回で約40 万円の受講料です。
 某社の人材育成プログラムの内容は問題解決能力(初、中、上)、リスクマネージメント(初、上)、部下育成(中、上)、 経営理念、財務、労働法等です。
 以上二つの教育課程から、課長等の管理職に求められている能力は、自衛隊の幹部教育で求めているものと同じように感じます。
 問題解決能力初級は、問題の「見える化」です。「見える化」とは誰にでも分かるように業務を数値化し、分析することです。問題点を数字に表わせれば「見える化」になります。
 例えば、予算と時間は計数化できます。予算内で行われているのか?超過しているのか?予定の時間通りなのか?オーバーしているのか?超過していれば、それは問題です。
 ここからは問題解決力の範疇です。ナゼナゼ問答を繰り返していけば、自ずと原因が判明してきます。まず、誰の問題か?それが問題です。自分の問題か?それとも日本国の問題か?
 1.自分の問題とは、自己の技術力が不足しているのか?自分にとり不適切な配置なのか?解決するため必要な時間が不足(仕事量過大)しているのか?
管理能力が不足しているのか?(または部下がダメなのか?)自分で解決できる問題であれば、自分で解決策を見つけることは出来るでしょう。
 2.自分たちの問題
課内、又は部内の問題とは課内情報連絡不足、部内情報連絡不足等情報の共有化がなされていない場合です。情報の共有化とは、必要な情報を適時適切に連絡会等により知らせあうことです。連絡会は定時、臨時、特別等の区別をして開催することが望ましいと考えられます。
 3.上司の問題
上司と合わない。これはこれで不幸なことですが、個人的不幸というよりは、組織としての損失が大きいものです。上司の指導方針、指導方法等が明確でない場合は、命令は一点の疑義もないようにしなければ、部下は動けないと呟きましょう。組織として情報の共有システムが無く、風通しが悪い場合もあります。一言で言えば、上司の指導能力不足、組織としての問題です。これは個人では解決できない問題です。
 4.会社の問題
配分資源不足、人的配分不適切、予算不足、情報不足、技術不足等です。
 5.社会・国家の問題
医療費の増加が財政破綻を引き起こす等医療行政上の問題です。
 「上司の問題」以下は個人では解決できないものです。野球解説のような、あの時は「こうしたのに」「ああしたのに」という評論家的解決法、他人事解決法を述べるだけです。床屋談義になっているだけで、時間の無駄にしかなりません。時として、自分の問題を床屋談義的に、他人事のように話す人がいますが、問題は峻別しなければいけません。自分の問題は「我が事として」解決しなければいけません。私はこれを「我が事解決法」と呼んでいます。
 さて、日日業務では問題ばかりでしょうが、縦割り行政を廃し、上下風通しを良くして75周年の記念の年を頑張りましょう。

(続く)