「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第44回 100年企業

堀口 紀博

 組織は何らかの目的を持って編成されます。目的の無い組織は無意味な存在です。目的達成のために組織は細分化され其々に人員(上司と部下)が配置されます。良い上司・部下とは、其々の立場で最高のパフォーマンスを発揮し、成果を得る人と言えます。
 良い上司の具体的な条件を考えてみました。
第一は、部下に対して明確に、具体的な任務を付与できる人です。
任務には達成すべき目的・目標、自分の占める地位と果たすべき役割、与えられる時間・人・物・金・情報等が含まれます。

第二は、部下の任務達成過程を適宜・適切に把握し的確な指導ができる人です。
部下が直面する問題・課題を事前に察知し、相談に乗り、解決策を見つけるための端緒を与えることが出来る人です。部下が報告しやすい職場環境、構成員が大きな声で話が出来る職場を作ることが出来る人です。
第三は、任務達成できた部下の業績を上下左右に宣伝できる人です。
部下の成果を部下のものとしてあいつは凄いやつだと大いに広めることが出来る人です。決して自分の業績に変換しない人です。
第四は、部下の行動について責任を取れる人です。
仕事をやらせている訳です、失敗も有ります。そんな時だから言ったじゃないかではなくこれは俺が責任を持つから心配するなと大きな声で周囲に喧伝できる人です。
第五は、部下の家庭環境を含めた状況を掌握している人です。
個人情報だから知らなくていい、なんて事は有りません。部下を人間として、社会人として、理解しなければいけません。個人的に心配事があれば、仕事のパフォーマンスは下がります。いつもと違う兆候を見つけたならばどんなことであれ、速やかに対処が出来る人です。
次に、良い部下の具体的条件を考えました。
第一は、上司の要求は、どんなことをしても達成できる人です。
出来ない理由を言わずにどうしたら出来るのかを考え、実行し、成果を出す人です。「頭が白くても、黒くても、鼠を取る猫はいい猫だ」は隣国の指導者の言葉です。しかし、法的、倫理的に不具合のある行動はしない人です。
第二は、自分の出来ないことと、出来ることを判別できる人です。
自分の権限・能力では出来ないことは当然あります。自分の限界・境界事項を判断し、出来る人を探し出せる人です。
これを、人脈がある人と言います。

第三は、上司の趣味には逆らわない人です。
コーヒーが好きな人に紅茶を出して「美味いでしょう」などと言う人はいませんが、上司の趣味までも興味をもって事前に調べている人です。上司の指示・指導を理解するためには、趣味までもよく理解し、逆らわない人です。
逆らう人のことを、あいつは「ざらつく」と評したものです。
それでは、良くない上司、部下とは?
その一;話半分で、脈絡もなく、急に怒り出す人、別名「瞬間湯沸かし器」
部下を指導する場合は対面で、別室で静かに、怒らない人が好まれます。

その二;決心・決断しない人、別名「優柔不断、うろうろ・きょろきょろ」
何を、何時までに、どの様に・・1H5Wで指示・命令されないと具体的な行動はとれません。「責任を取るからやりなさい」と言えば、人は百倍の力を出します。
その三;自分の趣味を強要し、自慢話が好きな人、別名「俺様、何様」
地位が上がれば、自分の好きなことは言わない、誘わない、自慢しない。
人は、自分のことを認めてもらいたいものです。仕事でも、趣味でも。ややもすると、人の成果まで自分のものと誤解する人もいます。
ただただ、静かに生きて行くのが上策かも知れません。

(続く)