「ある会社顧問(防衛省元将官)の独り言」
 第53回(最終回)マネジメント 営業篇

堀口 紀博

 新入社員も1ヶ月過ぎ、ようやく新勢力?に成りつつある五月になりました。彼らは、会社でマネージャークラスの人の下に付き先ずは仕事を覚え、日日の行動を探り始める時期でしょう。

 マネージャーは新入社員に何を最初に教えるべきでしょうか?マネージャーとはマネージメントをする人・出来る人です。

 マネージメントとは、「管理、評価、分析、選択、改善、回避、統合、計画、調整、指揮、統制、組織化等」を行う事と言われます。こんなに沢山の意味を持っている言葉ですが、その第一は仕事の意味、目的を明確にすることです。
 何のために我が社に入り、何をするのかを明らかにしなければいけません。

 新入社員は何のために我が社に入ったのでしょうか?先ずは彼らの意見を聞いてみることも面白いでしょう。
 「良い会社だから」「成長性があるから」「安定性があるから」「親が勧めたから」等々でしょうか?

 ピーター・ドラッガー(マネージメントの発明者・未来学者)によれば「自己実現のため」に組織(会社)に入り、「組織は社会貢献をする」ために存在する、と言います。しかし、最初から明確に「自己」を表現でき、実現できるわけではありません。経験も無い「仕事」をやるわけです。何が仕事かも分からない状態でしょう。

 社会貢献をするとは、組織が意味のある仕事、意味が分かる仕事を行うことです。どの様に意味付けするかと言えば、「世のため、人のために」仕事をすると言うのが一番分かりやすいと思います。

 医療機器メーカーであるわが社の仕事は、国民の健康の維持増進に寄与する健康の伝道師と表わすことが出来ます。営業の第一線は正に、健康の伝道師です。日本の、否、世界の人々の健康を守る、家族に誇れる、立派な仕事であることを新入社員に耳にたこができるほど教えましょう。

 組織が社会に貢献できるようにするためのもの、組織を機能させるための方策がマネージメントの第二になります。

 組織を機能させるためにマネージャーがやるべき最初のことは、「真剣・真摯」な気持ちと態度で部下に接することです。
 部下に接する時、本当に部下の事を思い、会社のことを思い、顧客のことを思っているのか、部下は見ています。たとえ子供であれ、相手が自分のことを真剣に考えているか、真摯な態度で接しているかは容易に分かるものです。
 真摯さはマネージャーにとり、本質的に必要な資質と言えます。今日、貴方(女)は真剣に生きていると実感できているでしょうか?

 第三は、企業が社会貢献できる条件として、高い利益率を持たねばいけません。どの様な形であれ、利益の出ない活動は企業にとり不必要です。民間企業は自分で給料を稼がなければ何処からも、降ってきません。

 お役人の世界は、天下国家を考えてはいますが、利益率を考えて働いているわけではありません。働き方改革における議論の多くは利益率を考えていない人たちの話と思えます。

 新入社員の人たちには、給料を保証してくれるのは会社だけであると言う現実を厳しく認識させる必要があるでしょう。時間ではなく、結果・成果(利益)が給与の原資である現実を、親や社会の保護が無い世界で生きていく気構えを教育していきましょう。

(完)