みね姉の見た「防人たちの素顔」 その1:自衛官の胸のうちを垣間見て

峯 まゆみ

 は、2013年9月から、あることがきっかけで「自衛官と民間女性の出会いの場」である「俱楽部ディフェンス(当時:自衛隊とのゆるやかな会)」という会を、定期的に日本各地で企画・運営することとなりました。それに伴い、自衛官と接する機会が増え、様々な話をする機会が増えたことで、必然的に、一般の民間人よりは「自衛官」たちがどんなことを考え、どんな想いで仕事をしているのかという事を知ることができ、同時に、現役自衛官よりはいくらか客観的に「自衛官」について知ることができているのではないか、という想いがあります。
 最初に断っておきますと、私は自分から根ほり葉ほり自衛官に対して質問するようなことは絶対にしません。現役の自衛官に対して、何を質問してよくて何をしてはいけないのか、これくらいはわきまえておくことが、自衛官を応援し敬意を払う者としての、当然のマナーであると考えるからです。だが、多くの自衛官は、私と接していると、本気でかなり熱く自衛隊を応援している人間だと分かって頂けるらしく、その熱意を感じ取ってくれた自衛官は、自ら様々な想いを語ってくれることがしばしばあるのだけです。
 そのように、彼らが様々な想いを語ってくれることで、私自身もイメージや思い込みではなく、生身の自衛官の本音を知り得ることができるのは、とてもありがたいことだと思っています。私は普段、自衛官との結婚を夢見る女性たちに向けて、自衛官との婚活アドバイスをブログに書き綴っていますが、このブログが自分で思っている以上に現役の自衛官が読んでくれて支持してくれていることが分かり、少なからず驚きました。彼らが支持してくれるような記事をブログで書くことができるのは、彼らの本音を知り得る機会が多かったからに他ならないと考えます。
 その中で、私が様々な自衛官から話を聞いて驚かされるのは、程度の差こそあれ、皆一様に「自分たちは国民から嫌われている」という想いを抱えていることです。そしてその想いを最も強く感じているのは「陸上自衛官」であるように思います。これは訓練で街中を移動する時に、自衛隊反対派の住民等から、様々な酷い言葉を投げかけられていることが理由ではないかと考えます。自衛官に対して直接言葉をかけてくる身近な人が、そういう人たちしかないなら、それはたしかに自衛官が「自分たちは嫌われている」と感じてしまうのも無理からぬことであり、それ故、彼らは一様に「自衛官を好きな民間人がいるなんて信じられない」と思いこんでいるのです。自衛隊を応援する私は、そのことを聞くたびに悲しくなり、苦しくなります。東日本大震災以来、かつてないほどに自衛隊の人気が高まり、自衛隊のイベントには、以前では考えられないくらい若い女性が大勢詰めかけている、この現状があってもなお「自分たちは嫌われている」と思い込んでいることに、私は不思議でなりませんでした。
 そこで私は、いかに今自衛隊が国民から支持され人気があるかを語るのですが、そこで彼らは「自衛隊は人気が出なくていいし、支持されなくていい」と言います。「自衛隊が歓迎される時は国が危険に去られている時だから」だと。まさしく、防衛大学校第1期生の卒業式での吉田茂の訓示そのままの言葉です。この訓示は多くの人の心を動かしネットで拡散されていますが、この訓示が現在もなお、言葉だけでなく自衛官の心にしっかりと刻まれ受け継がれていることを知り、この言葉を現役の自衛官から聞くたびに、私は非常に感動し改めて尊敬の念を強くするのです。
 しかし、そう語る彼らの中からは、同時になにかしらの忸怩たる想いを感じ、それは一体なんなのだろうと気になっていました。そうしてある時に気付いた…というより、なんとなくそう感じただけなのですが、自衛官の多くは、国民に「好かれる」ことではなく「理解される」ことを望んでいるのではないのだろうか、ということです。
 その、彼らが求める「理解」とは様々なのですが、敢えて一言で言うなら「仕事に関する理解」ではないかと思います。それは詳しく自衛隊について知ることではなく「民間人とは様々に立場も仕事も違う」といことであり、民間人である以上完璧に自衛隊の事を理解することは無理だということであり、自衛官といえども自分は普通の人間なのだ、という事なのではないかと、私は感じました。昨今のように人気が出てきてしまっては「自衛官といえども人間」という当たり前のことに気付かずに接してくる、やや困った民間人もいるでしょう。逆に、民間人の世界しか知らない(特に女性)に、自衛隊の特殊さを理解してもらうのは非常に難しいことで、それをあきらめてしまっている自衛官も少なくありません。つまり、このバランスのとれた「理解」を求めているのではないかと思うのです。そこに気付いて、私は改めて、可能な限り彼らを理解したいと思い、自分が理解できたことをできるだけ多くの自衛隊ファンと共有できることを願い、そのための活動を行っている次第です。