みね姉の見た「防人たちの素顔」 その5:自衛官のホスピタリティー

峯 まゆみ

 衛隊の人気が高まるにつれて、自衛隊が開催する広報活動にも年々人気が出ているように感じます。もちろん、私も自衛隊の広報活動にはよく足を運んでおり、特に艦艇の一般公開は、足を延ばせる限り延ばして、あちこち行っては、ブログにそのイベントの様子を更新しています。
 私が艦艇見学において大好きなのは、実は艦艇そのものよりも、乗員さんとの会話や、広報のために置いてある、艦の個性あふれる説明文などを見つけることです。艦によっては、短魚雷の説明やアスロックなどの説明などでも、本当に可愛く楽しいイラストつきで、面白く説明あるものがあり、私の感覚では、陸上自衛隊や航空自衛隊のイベントと比して、ユーモアがあるように思えます。おそらく、陸・海・空の中で一番なじみがないと思われる、海上自衛隊に、少しでも親近感を持って頂ければ…という気持ちがあるのではないかと思うのですが、お話をしていても、楽しく軽快なトークで説明してくれる乗員さんが多いように感じます。
 そんな時、私の脳裏にいつも浮かぶのが「ユーモアを解せざるもの海軍の資格なし」という言葉です。もともと帝国海軍は英国海軍に倣った組織であったことから、過酷な長期航海を耐えられることができるようにと、ユーモアの精神を重視していたことから始まるらしいのですが、このことが今もなお息づいているように感じますし、そんなところが、私が海上自衛隊を好きな所以でもあります。
 乗員さんとお話をしていると、こちらが興味を持っていることや海上自衛隊が大好きであることをわかって頂けると、とてもうれしそうにお話してくれますが、そういう時、私としては「(機密などの関係で)自衛官が答えらない質問はしない」ということが礼儀だと思っていますので、そこに抵触するような質問はしないように心がけています。もちろん、人それぞれ個人差はありますが、多くの方は、普段あまり接することなない民間人とのコミュニケーションを楽しんでいらっしゃるように感じます。
 各艦の個性を随所に感じることができるのが一般公開であり、大体において、民間人に対して様々に配慮がしてあるのですが、女性自衛官がいる艦だと、一層配慮が細やかになっているように感じます。ある艦での体験航海の時、お手洗いに行くと、必ず入口前に女性自衛官が一人立っていらしていて、出てくるとしばらくして必ず中に入って行かれる姿が見えました。お手洗いに入ると、トイレットペーパーが必ず三角折になっていて、汚れも一切なかったことから、誰かが出た後に必ずチェックしていらっしゃることがわかりました。一流ホテルでも、ここまではしていないので、非常に感動しました。また、常にきれいであるのは、お手洗いだけにかかわらず、艦内全体に言えることです。「艦の威容を保つ」ということがお題目でなく本当に徹底されていることがよくわかります。
 これは、もちろん海上自衛隊に限らず、自衛隊全体に言えることで、航空自衛隊の基地にお邪魔しても、陸上自衛隊の駐屯地にお邪魔しても、建物がどんなに古くても、本当にお掃除が行き届いていることや、道具1つとってもとてもきちんと収納されていることに驚きます。また、陸上自衛隊の駐屯地にお邪魔すると、各車両が非常に美しく整列した状態で駐車されていることや、駐屯地祭の際の時のテント周りの配線ですら、きちんと整えられていることに、私は感動すら覚えました。このような「微に入り細を穿つ」美しい仕事をする自衛隊を、私はとても尊敬しています。そんなことが何の役に立つのか?と思う人もいるかもしれません。
 しかし、海上自衛隊のイージス艦が、世界で唯一弾道ミサイルを迎撃した実績を持つことと、あながち無関係ではないように私は思います。先日、あるイージス艦の乗員さんと、BMDの話になった時に、「日本だけが成功しているんですよね?すごいですよね!」と私が言いますと、「海上自衛隊が細かすぎるだけかもしれません」と笑いながら言われたのですが、その細かすぎるところが、私は素晴らしいと思っています。
 当の自衛官たちにとっては、本当に大変だとは思いますが、そんな点に目を配り、ひそかに惚れ惚れしている私のような人間もおりますし、意味がないということは絶対にないので、大変ながらも頑張って頂けたらうれしいです。