翔べ!海上自衛隊航空学生 - パイロット人生38年の航跡 -

岡崎 拓生

はじめに

 自衛隊で飛行機に乗っている、ということで、私の実家近辺の人々はみな、航空自衛隊にいるのだとずっと思っていたらしい。飛行機と言えば航空自衛隊というのは常識的な連想ではあるが、長いこと海自航空部隊のメシを食ってきた身としては、少々不本意でもある。ということで、その、あまり知られていない海自航空部隊に対する理解を多少とも広めたい、と筆を執ったのが、本書というわけである。
 いわゆる「自分史」ではあるが、それは便宜上でのことで、本旨は海自航空部隊の歴史と実情、加えてその主要な搭乗員を養成する航空学生の制度を紹介するにある。したがって、自身の思想、信条、感懐、反省、自負などの個人的感情や、趣味、嗜好、交友関係、家庭環境などの私事の記述は極力抑えた。
 本書によって、いくばくかでも海上自衛隊の航空部隊に対する理解を深め、願わくば海上自衛隊のよき理解者となって戴けたら、筆者としてのよろこび、これに過ぎるものはない。