山下塾 第1弾総集編

山下 輝男

防災の基本

 続いて、阪神淡路大震災の経験を踏まえて策定された大規模地震対策等について説明致します。先ず、防災の基本は何かを考えてみたいと思います。自助と共助と公助の3つの助の総合力で防災を達成することになります。本日のキーワードはこの自助共助公助であります。
 首都直下地震対策は、昭和63年頃の南関東地域震災対策の活動要領の策定に始まりましたが、平成7年の阪神淡路大震災を契機にして急速に進展することとなり、従来の大綱及び活動要領が平成10年には改定され、以降逐次に計画の充実が図られております。
 首都直下地震対策の基本はスライドのとおりです。先程説明したとおり首都中枢機能が麻痺する可能性があるため如何にしてその機能の継続性を図るかということが重要であり、また膨大な被害が予想されるので、如何にして防災・減災を図るかが第二の柱であり、予防対策と避難者等対策を確立することがポイントです。
第三の柱は、地域や企業の力を如何にして結集するかということであります。
 応急対策活動要領をもう少し具体的に見てみましょう。予め計画したところに従い、部隊を派遣し、医療活動、物資調達等を実施します。
逐次に明らかになる被害状況に応じ、活動内容を修正することとなります。
 首都直下地震の場合には、自衛隊、警察、消防の部隊を東京、埼玉、神奈川及び千葉の各都県に総計12万人弱を派遣し全般支援として約5万人を拘置し、状況に応じ振り回すことになります。
 このスライドは、物資調達の概要を示しております。食料や毛布或いは赤ちゃん用のミルク等を調達し、配分します。茨城県に対する物資の配分も行います。
 被災地内では対応が困難な重症者であり且つ被災地外に搬送することにより救命の可能性高い患者を対象として被災地地域外に搬送します。
先ずこれらの患者は、被災地内の広域搬送拠点に集められた後、被災地域外に搬送されます。
また、被災地域外から、DMATと言われる医師、看護師及び業務調整員から構成される「災害時派遣医療チーム」が180個チーム派遣することとされています。
 首都直下地震対策を効果的に推進するために、スライドに示してあるような施策を実行することとしております。
関係する機関が広域且つ多岐にわたるため、国の各機関はもとより、地方公共団体等が密接に連携することが重要であります。
調査研究を推進し、実践的な訓練を行うことが重要です。また、防災・減災は国や地方公共団体のみの力によって達成できるものではありません。
幅広い国民の理解と協力が不可欠であり、その為の国民運動を展開することが必要です。
 県や市町村の能力はどうでしょうか?能力を見るまえに、知事、市町村長の役割を確認しておきましょう。
災害対策においては市町村長が第一義的な責任を有しております。
大規模な災害が、発生した場合の市町村の業務は広範多岐に亘り、基本的には、未経験の分野の業務が多く、市町村自体が被災していると言う状況であり、且つまた市町村役場は平時の行政を遂行する事を前提した組織編成になっていますので、有事対応能力は限定的であるといっても過言ではないでしょう。
 その状況を埼玉県内のある市を例にしてみて見ましょう。どうでしょうか?首都直下の大地震応急対策を行うに必要且つ充分な能力を有しているでしょうか?心細いと言わざるを得ませんね。
 市町村等は、自治体相互間或いは民間業者との間で、様々な、云わば有事応援協定というべき協定を締結しております。
その内容はスライドに示してあります。近年この種応援協定の締結が進捗しつつあります。