山下塾

山下 輝男

警報、警戒区域の設定等

山下塾第二回講座のテーマは、警報や警戒区域等の設定についてです。
防災や国民保護にとって、住民に対して、警報を迅速・正確且つ漏れなく伝達することは極めて重要です。
また、被害を予防或いは拡大を防止するために警戒区域や立入制限区域が設定され退避が指示される事があります。
それらについて説明しましょう。尚、スライド右肩に3種のマークがあります。国民保護関連、防災関連及び双方共通事項に区分しております。
 災害対策と国民保護における警報等の差異を本スライドと次のスライドで比較して下さい。
災害対策においては、市町村長は通知を受け或いは自ら判断して警報等を住民等に伝達する責任があります。
市町村長等は警告を発することも可能です。
 国民保護事態においては、事の重大性に鑑み、発令する場合を厳密に規定し、国が責任を持って発令することとしております。
 緊急情報を国民に伝達する手段として整備されている主要な伝達手段には、スライドに示すような方法があり、それぞれの特性を比較しております。
 重要な緊急情報の伝達手段として整備されつつあるのが、J-ALERT とエムネットです。
それぞれの整備率が気になります。災害は待ってくれないのにと大いに気になるところです。
 大規模災害や弾道ミサイルなどの緊急情報の伝達手段のメインの手段として、現在整備が進められている全国瞬時警報システム(J-ALERT)の概要を示しています。
発令から10秒以内に住民にまで周知することが期待されています。
J-ALERTは、「国から住民まで直接瞬時に情報を伝達」且つ「防災行政無線を自動起動」することが出来るという特長があります。平成19年2月から一部の地方公共団体で運用が開始されています。
 J-ALERTによる放送の一例です。
 武力攻撃事態等においては、サイレン音が吹鳴されます。内閣官房の国民保護ポータルサイトで視聴することができます。
右下をクリックして確認して下さい。
 このスライドは、21年4月、5月の北朝鮮のミサイル発射の際に緊急情報の伝達手段として利用されて一躍有名になったEm-Net(エムネット)の概要を示しています。
エムネットによって情報を受信した自治体は、防災行政無線等により住民に情報を伝達することになります。
J-ALERTが直接住民に緊急情報を伝達するのとの大きな差異です。
本システムは、平成18年から導入が始まり、整備率は既に述べたように70%超です。
 このスライドは、人命に関わる通信を確保する為に、国が鋭意整備を進めてきた防災無線システムの概要を示します。
国、都道府県及び市町村の各階層と消防防災無線等の機能別の無線系から構成されており、整備率は75%余りで、比較的進捗しています。
 風水害と異なり、地震災害は予知することが困難です。地震の震源近くで捉えた観測データから主要動の到達時刻や震度を予測して、可能な限り早く周知する為のシステムとして、世界でこの種システムとしては初となる緊急地震速報が導入され、平成19年10月から、一般向け放送が始まり、本格導入となりました。
これが有効な活用により大規模被害を軽減できるものと期待されています。 
 警報等は、あらゆる手段により迅速、正確且つ漏れなく伝達される必要があります。この際、特に情報弱者の方々への警報伝達等に配意する必要があり、工夫を凝らすべきでしょう。
国民保護事態の場合には国からの警報は知事を通じて伝達されます。
大規模集客施設等における警報伝達はパニック防止に充分に留意すべきです。
 平成21年春の北朝鮮によるテポドンⅡと思しきミサイル発射に伴う情報伝達について説明しています。
結果的にわが国に対して被害がなく幸いでしたが、良い訓練になったと言うべきでしょう。
 次に、区域等を設定することにより、住民の生命等の危険を防止し、安全を確保するような措置が実施されます。
それには警戒区域の設定、立入制限区域の設定及び退避の指示の3つがあります。
 次に災害対策基本法と国民保護法の双方に規定されている警戒区域について説明します。
市町村長の権限でかなり強制力のある警戒区域の設定が可能です。警察官等による代行権が認められています。
 国民保護法独特の規定として、立入制限区域の設定が都道府県公安委員会に付与されています。
その安全を確保しなければ国民生活に著しい支障を来たすような施設例えば発電所、浄水施設或いは安全を確保しなければ周辺の地域に著しい被害を生じさせる恐れがあるダム等の安全を確保する必要がある場合に設定されるものです。
生活関連施設の安全な運営等を確保することは極めて重要ですが、沢山の施設の安全確保は並大抵では出来ないでしょうね。
 国民保護法独自の規定ですが、地域を設定して住民の立ち入り等を制限する方法のほかに、市町村長は必要がある場合には、当概地域から一時的に住民を避難させる為の「退避の指示」を発令することが出来ます。
退避には屋内への退避を含み、他への移動による退避までを含んでいます。
緊急な場合には当然な措置だと思料します。警察官等も退避の指示を行うことができます。

以上で、第二回講座を終了します。
次回は、避難について説明します。配信予定は12月の末を考えていますが、状況によっては年明けになるかもしれません。
乞うご期待を!