山下塾

山下 輝男

防災と国民保護

皆様こんにちは、山下塾を開講しました。宜しくお願いします。
第1回講座の内容は、スライドにお示ししている通りです。どのような危機が考えられ、それらにどう対応しようとしているのか等、全般的事項について説明します。
今はどのような時代なのでしょう。大規模災害等が頻発し、9.11米国同時多発テロ以降新たな脅威が顕在化し、我が国周辺においてもミサイルや核の脅威が高まっております。
何が起きても可笑しくない時代に我々は存在しているのかもしれません。
戦争も軍隊同士の戦いであったものから国民をも巻き込んだものへと変化し、それに連れて市民の犠牲も劇的に増加してまいりました。わが国は、戦時における文民保護に関するジュネーブ条約等を批准し、国民保護の態勢を整えるに至りました。
本講座では、防災と国民保護を一緒に取り上げていますが、それは両者の考え方や措置に共通事項が多く、防災における諸施策が国民保護にも有益であり、またその逆もありうるとの判断からです。また、この講座で逐次に明らかにしますが、当然ながら双方の措置事項等において違うところも多々ありますので、この異同を知ることが双方を知ることに有益であると考えます。
尚、スライド右上にオレンジ地の四角中に青い正三角形の表示(国民保護措置従事者の特別標章)があるものは基本的に国民保護事態に関連していると言う印です。
次は、徒に危機感を煽るつもりはありませんが、「迫りくる危機」と題して冷厳なる事実を皆様に提示します。先ずは、大規模地震等です。中央防災会議において、関東大震災級の首都直下型地震の発生する確率が2036年までの間において70%と示されました。70%の確率と言うのは、相当高いと思うのですが、・・・。見たくないものは見ないし、見えない、敢えて目を  気持ちも解らないではありませんが、冷厳なる事実を直視するべきでしょう。
スライドにお示ししているように、最近大規模な災害が全国で頻発しています。気候変動の影響もあるのでしょうか。地震も多いですね。明らかに活動期に突入したのでしょう。
大規模地震の他に我々が直面している脅威には、所謂武力攻撃事態等があります。外国のミサイル攻撃や或いは大規模テロ事件等の武力攻撃事態に準ずるものとして緊急対処事態があります。最近のこれらに関連する事例を列記してみました。従来とは異なった脅威に直面していると認識しても良いのではないでしょうか。
それでは、このような危機にどう対応すれば宜しいのでしょうか?国や地方自治体等の公的機関が我々を守ってくれる(公助)と思われるでしょうが、果たしてそれだけで、充分でしょうか。自らの命は自ら守るという「自助」と、わが街は自分達で守るという「共助」の3つの「助」の総合力で対応することが肝要だと思います。
公的機関の能力には限界があり、また公的機関にはより重要な対策に重点志向して貰うためにも、自助や共助の意識を持って対応すべきでしょう。自分達で出来ること何でもすると言う意識が重要です。
先ず、大規模地震対策ですが、予測される夫々の大規模地震の特性に応じ、また、スライドに示すような5本柱の対策で、災害に強い街づくりを目指しています。関係する公的機関はそれらをより具体化した諸施策を順次行い、その成果は少しずつ現れているものと確信します。
平成16年6月に所謂国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、通称国民保護法)が成立しました。国民保護の3本柱は、スライドに示していますが、避難と救援と武力攻撃災害への対処であります。国民保護法では、これらの3本柱毎に、国、都道府県及び市町村が果すべき役割を明確にしております。指定行政機関、指定公共機関、指定地方公共機関には、それぞれの果たすべき役割が明示され、業務計画を作成することとなっています。国民は基本的にはこれら各公的機関が行う措置に協力することとされております。
国民保護法は、第1章から第11章までの195条と附則から構成されています。重要なのはスライドにあるとおり、第1章から第5章であり、各章には国民保護の3本柱の措置事項等が記載されています。
国民保護法において想定している事態を説明しています。それぞれ事態に応じ特性がありますが、割愛します。
国民保護法の成立までの長い道程をスライドに示しております。やっと機が熟したのでしょうね。
我が国の国民保護の枠組みといいますか、特色はスライドの通りです。我が国は列国が採用しているような特別の文民保護組織を創設することなく、公的機関が主体的に保護措置を行い、国民の自主的な協力によりこれを補完することにしています。国民の協力が重要ですが、実態はどうなのでしょう?
 
第2回講座の配信は12月を予定しています。講座の主題は「警報・緊急通報、立入制限等」です。
参考事例編です。大規模災害やテロ、ミサイル事案など6個の事例を紹介しています。