山下塾第2弾

山下 輝男

第1回講座 危機管理の概念

  お久し振りです。山下塾第2弾を開講致します。
本講座はスライドにありますようなタイトルで、去る1月30日、グランドヒル市ヶ谷で行われた第98回郷友安保フォーラムにおいて、不肖小生が説明したものに一部加筆修正して皆様に提示せんとするものであります。
 
  先ず、危機管理の概念について整理しておきます。
続きまして、前段として、東日本大震災に関連した危機管理上の論点を、後段は、皆様も良くご承知の、内外の事件・事故等12事例を取り上げて危機管理上の論点を明らかにしたいと思います。

最後にそれらを通じて明らかにされた危機管理の要諦等について説明します。
 
事後の説明を容易にするために、まず危機管理の概念と危機対応の考え方について説明しておきます。
 
  危機管理については今だこれだという明確なものはないようです。
スライドには、狭義及び広義の危機管理の概念を示しています。広義の危機管理には、狭義の危機管理の概念である事前対策をも含み、事態発生後の応急対策や復旧等を含んでいます。

 事態発生後の対応を捉えてクライシスマネージメントと称する場合もあります。
危機管理の定義ですが、スライドには経済産業省のテキストから引用したものを提示しております。
何故経産省が思われるかも知れませんが、経産省は、企業にとっての危機管理対策であるBCP(事業継続計画)の重要性啓発に取り組んでおります。
 
 
  危機管理において最も重要なことは、そのような危機的事態の発生を起こさせないことであり、その為の事前対策が極めて重要です。
危機管理は将来の危機に対する先行投資であるといえましょう。

 事前対策を万全にしたとしても危機を完全に防止出来るものではないでしょう。
万が一危機が発生した場合には、被害の極限と拡大防止を図らねばなりません。
起こさないこと、おき場合でもその影響を小さくすることが危機管理の原則です。 
 
  皆さんに少々考えて貰いましょう。
スライドにお示ししているのはあるホームページに掲載されていたものです。同業3社の夫々の対応を見てどの社の対応が良いでしょうか?

 マスコミはA社の対応を誉めそやしましたが、そのそもこのような事態を招いたというのは危機管理が出来ていなかったからではないでしょうか?
A社は参天製薬のことです。後ほど各種事例の一つとして紹介します。

  いずれにしても危機を招かない態勢を構築することが重要です。
危機を招かないために、どのような事前対策を採ればいいのか、各種事例の中から確認して頂き、万が一危機が発生した場合にその影響をどのようにして最小限にしたのかをこれからお話しする事例の中から汲み取って頂きたいと存じます。
 
次回以降は東日本大震災やその他の事例を紹介し、危機管理上何が論点とされているかをお話したいと思います。ご期待下さい。