山下塾第2弾

山下 輝男

第9回講座 危機管理について 危機管理の要諦、リーダー論、その他

 第8回講座まで、危機管理上の各種事例を説明しました。今回は危機管理の要諦や危機管理にとって重要な論点である「リーダー論
等について論じたいと思います。説明事項はスライドの通りです。
 小生が考える危機管理の要諦はスライドの通りであります。個々の項目の説明は
JBPressに投稿した記事を読んで頂ければ幸甚です。4項の「指揮官」との文言は「リーダー」と読み替えて頂ければと思います。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3183?page=2
 危機対処は組織の問題もあるが、危機対応の適否は矢張り人に負うところ大であろうと思います。特にリーダーに因るところ大ですね。危機時のリーダーに求められるものは色々とあるのでしょうが、決断力、大局観、厳然たる指揮権の発動が必要だろうと愚考します。 
戦後のわが国はリーダー育成に無関心であったような気がします。和をもって尊しと為すとばかりに「話し合いこそ最善
であるとの教育が罷り通っていたように思います。平時はそれで良しとしても危機時にはそれでは決して対応できないのではないでしょうか?。
 面白いアンケート結果があります。信念の人、決断力のある人がリーダーとしてふさわしいトップ2となっています。
 共和制ローマでも必要があれば独裁官が選ばれ、絶対的な権限が与えられ、共和制ローマの安全を守ったのです。多くの国では大統領に国家緊急権を付与しており、戦時にはチャーチルの戦時内閣の様に強権を付与するようにしています。これ等は、人類の英知とも言えるでしょう。
翻って我が国はどうでしょうか?憲法に緊急権の規定なく、国家非常事態に対応する法的枠組みすら明確ではありません。リーダー論からは脱線しますが、皆様のご理解を賜りたいと存じます。
 危機時のトップリーダーに不可欠な資質にはスライドの様なものがあるだろうと思います。
第10回講座で、民間事故調が指摘した国家中枢の危機管理の実態を踏まえたリーダー論を展開します。我が国の危機管理の実態に慄然とし、国家存亡の危機に果たして的確に対応できるのか、危惧します。
速やかに善処すべきです。
 自社さ連立政権の村山首相を評価する声は極めてまれですが、村山富市証言録の③部分については、納得して頂けるでしょう。当時も今でも似たような状況ですね。阪神淡路大震災を契機に危機管理の体制が見直されましたが、それでも不十分です。

国家のトップリーダーが万能の神である必要はありません。自らの限界を知り、有能な者を使い、責任を取れば良いのではないでしょうか?俺こそは専門家とばかりに他の意見をシャットアウトするのは愚の骨頂です。

無能な者が出しゃばり滅茶苦茶にする愚は犯したくないものです。
日露戦争時における大山巌満州軍総司令官に理想のリーダー像を見つけるのは私のみでしょうか?
 危機管理においては広報の役割が極めて重要です。広報の失敗は取り返しがつきません。
各種教程等に共通的に述べられている広報上の心得はスライドの通りです。
 以下参考事項を紹介します。
小生の長い自衛官生活の中で常に肝に銘じてきたことがあります。その幾つかを紹介しましょう。リーダーは指揮官である。部隊指揮においてはスライドに述べているような「指揮の要訣
が重要である。特段の説明は要しないでしょう。割愛します。
 そして指揮官として、何を何時決定すべきかを常に意識・判断していることが極めて重要です。
己の立場や役割を基礎として何をすべきか、何時それを決定すべきかを心掛けておけば大きな誤りはありません。
軍事作戦のみならず、あらゆる事象に対する判断の基準となるべき考え方です。
 幕僚活動の9原則なるものがあります。幕僚はある面では指揮官でもあります、そしてこれらは指揮官の心得でもあると云えます。
以上3項目を常に意識してリーダーたらんと努めれば大丈夫でしょう。
次回は最終回です。お楽しみに。