山下塾第3弾

山下 輝男

第12回 地域の安全・安心講座

 第12回目の講座は引き続き地域防災です。共助を担う組織等のうち、ボランティア等について説明します。

 

 阪神淡路大震災時にはボランティアが各種救援活動に携わり、正にボランティア元年と云われました。
 ボランティアの原則は公共の福祉に寄与すること、自発的であること及び無報酬であることと云われています。
 ボランティアは、善意の個人であり、一般的には組織化されていません。最も近年ではボランティアグループが結成されて活動されているようです。色々な能力を持った個人の集団ですが、最大の弱点は自存自活能力が基本的にはないということです。被災地においてそれらを被災者に頼るわけには参りません。自ら算段することが必要です。最近ではそれらを幾何かでも支援しようという動きがありますが、基本は自ら算段すべきなのです。
 被災者のニーズは多様ですし、ボランティアが出来ることも多種多様です。この両者を結び付けることが重要です。そのマッチングの役割を果たすのがボランティアセンターです。このボラセンが機能してこそボランティアの実効性が向上するのです。
 前述したように、ボランティアには色々な制約事項が付きまといますので、それなりの支援を行って彼らの活動を支援することが必要となります。
 善意の迸るがまま、止むに止まれぬ気持ちだけで災害ボランティアとして被災地に赴いても阻害要因となるは必定でしょう。被災地の状況をしっかりと情報収集し、被災地にあるボランティアセンター等と調整して、何処で何をするかの計画を立てましょう。
 自己完結性の確保のための準備万端怠りなく実施しましょう。被災地では被災者の心情に配慮した行動をとりましょう。中には無神経な言動により、顰蹙を買う者も居るようです。勿論、何かがあった時の為にもボランティア保険に加入しましょう。
 ⑤に書きましたが、ボランティアが被災者を助けてやるなどと高い目線で対応すべきではなく、他のボランティアやボラセンとも密接な連携を取ってしっかりと協働しましょう。
 重複するかもしれませんが、参加要領を纏めてみました。可能な限り団体として行動することが双方にとって望ましいですね。
 今般の東日本大震災では、災害ボランティアバスツワーが計画されましたが、皆さんの気持ちを具体化する方法は有る筈ですので、しっかりと情報収集しましょう。
  新しい「公」の担い手について考えてみましょう。行政等に代わって行政等が果たすべき事項を実行しようと云う公共的団体や民間企業等が増えています。行政と補完的関係にあると云えるでしょう。民間企業が特に公的役割を果たそうという動きがあるのは素晴らしいことだと思います。
 CSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)とは、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることを指しています。責任というよりも自主的な活動が多くなっていると認識した方が良いのではないでしょうか?
 近年、各種各様の災害時応援協定が締結されつつあります。民間事業者の範囲もスライドに示しておりますが、業種は正に各種各様です。問題はこのような応援協定の実効性を高めることではないでしょうか?具体的で実行可能な協定にするためには相応の努力が必要でしょう。
 次に危機管理経験者団体の活用について説明します。警察、自衛隊そして消防等の危機管理を経験して退職したシニアパワーは国家の財産ではないでしょうか。人生80年時代の今日彼等を如何に活用するか、模索されています。
 警察官OBである警友会はどちらかと云うと、いざという場合に警察機関に対して協力を行うことがメインとなっています。現役警察官を救援現場で最大限活動させることも重要なことです。警察官OBは防犯でも活躍しております。
 防衛省OBである隊友会も従前から災害時の協力について模索をしてまいりました。公益法人制度改革により、隊友会も平成23年4月、公益法人隊友会となりより公益性を追求するようになりました。
 どのような協力を行おうとしているかをスライドに示しております。特に私が関心を持つのは①及び②です。退職自衛官を単なる救援の要員として運用するのではなく、彼らが現役時代に培った指揮幕僚活動のノウハウを活かすことを追求すべきではないでしょうか?そこに彼らの本領があり発揮できるのではないかと思います。
 先般の東日本大震災時における隊友会のボランティア活動の状況を2枚のスライドで示します。
 宿泊や移動手段の提供などの派遣態勢が更に整えば、更なるOBの派遣が出来るだろう。ボランティアは、宿泊も移動もすべて自前で行うべしというのは理想ではあっても、現実的ではない。可能な支援を行うことをもっと積極的に考えるべきだろう。
 気持ちはあっても体力的には厳しいものがあるようだが、それはそれで構わないだろう。年寄りの功が発揮されるケースもある。夫々の人々がその人の持てる力で活動することに意義がある。参加したOB諸氏に敬意を表したい。
 次回講座はスライドの通りです。