山下塾第4弾

山下 輝男

第3回 我が国のテロ対策の現状と課題

第3回 講座

始めに
 第3回講座のテーマは、我が国のテロ対策の全般的事項についてです。航空機のハイジャック事件が猖獗を極めた時期以降ハイジャック防止に係る条約が制定され、国際的にも種々の国際合意がなされてきた。我が国はそれらの条約を批准締結するとともに、それらに基づく法律の制定や措置を行ってきた。特に、9.11米国同時多発テロ事件以降はそれらに係る対策を急進展させた。第3回講座では、それらを概観することにしましょう。

1 テロ対策の概要
 我が国のテロ対策は、テロ防止関連条約等を基礎として、テロの未然防止、起きた場合のテロ被害の局限及び早期鎮圧を目標に色々な施策を講じてきたところである。その概要は次のスライドの通りである。

 

2 テロ防止関連13条約
 国連その他の国際機関では、これまでに13本のテロ防止関連諸条約が作成され、そのうちの3本のテロ防止関連条約については改正議定書が採択されるなどしています。2001年9月の米国同時多発テロの発生時点で我が国が未締結であったテロ防止関連条約は3本あり、それらも逐次に締結し、2007年8月3日に核テロリズム防止条約を締結した結果、我が国は、スライドに示す13条約の締結を完了しました。
 テロ防止関連条約のパターンは、国際的なテロ行為の容疑者を最終的にはいずれかの国で処罰し得るように、国際的な協力の枠組みを構築することを目的としています。
(1)犯罪化: 条約に規定する一定のテロ行為を国内法上の犯罪とする。
(2)訴追ないし引渡:そのような犯罪が外国において外国人によって行われた場合にも我が国において訴追ないし引渡ができるようにする。

 

3 行動計画について
 政府は、平成13年に発生した9.11米国同時多発テロ以降、国際的な連携を強化しつつ、国内においてテロの未然防止に関する諸施策を推進してきた。
 国際テロをめぐる情勢は、依然として厳しく、その我が国への脅威は決して過小評価してはならない。また、国際テロをめぐる情勢は刻一刻と変化していることから、その変化に応じて、我が国のテロの未然防止対策は、不断の見直しが行われなければならない。こうした認識に立って、政府は、2004年8月24日の閣議決定により、国際組織犯罪等対策推進本部を、現在の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部に改組し、国際テロの未然防止対策を検討した。
 その概要は、以下の2枚のスライドに示す通りである。

 

4 犯罪に強い社会実現行動計画
 テロの未然防止に関する行動計画の策定に先立つ、平成15年12月、政府は犯罪に強い社会実現行動計画を策定していたが、5年後の平成20年12月には、犯罪に強い社会実現行動計画2008を策定し、その行動計画の第6において、「テロの脅威等への対処」を特別に取り上げた。その概要はスライドの通りである。

 

 本年、5月には、この行動計画を更に発展させるべく今年12月末を目途に新たな行動計画を策定することとしている。「世界一安全・安心な国、日本の創造」を目標として各種施策を講ずる予定である。テロ関連はスライドの通りである。

 

5 テロ防止対策の現状について
 内閣官房において、「主なテロの未然防止対策の現状」を毎年発出しているが、その最新版がさる5月27日に発出されたので、それを紹介しよう。
 尚、スライドに論点と記述している項目については、特に重要であると思うので、次回以降稿を改めて論じたい。
 第3回講座を終わります。
 次回は、国際テロ対策について見ていきたいと思います。乞うご期待。

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