山下塾第4弾

山下 輝男

第10回 我が国のテロ対策の現状と課題

第10回 講座

始めに
 前回に引き続き、テロ対策の課題と対策について検討してみましょう。

6 各種対策の実効性は
 日本のテロ対策は、確かにある程度整っているかに見える。然しながら、それが果たして有効に機能しているのだろうか,実効性はどうか?誰しも気になるところだろう。
 先ずは形を整えることに終始したのかもしれない。今後の課題が実効性の評価と改善だろう。

 

7 実効性の例としての重要施設の防護について
 実効性の例として、小生が最も気にしている『重要施設の防護』について考察してみましょう。
 一体どれ位の重要施設があるのでしょう。その全てに相応の部隊を配備すると云う訳にもいかないでしょうね。一個施設に100人規模の部隊を配備するとしたら、陸上自衛隊は全て警備部隊となってしまうでしょう。
 敵がゲリラやコマンドだとすると警察力では対応できないでしょうね。どうするのでしょう。敵は自由意志をもって自由に目標を選定できるのです。防御は大変です。
 自衛隊と警察の役割分担はスライドの通りですが、どうなのでしょう。警備に勢力を割く余裕はないかもしれません。自衛隊にもう少し柔軟な役割を付与したらどうでしょう。

 

8 国民の役割
 国家総動員と思われるような施策は敢えて採用しないようですね。国民の広範な協力なくしてテロに限らず我が国の安全は確保できないのではないでしょうか?
 防災においては、自助:共助:公助=7:2:1と言われます。テロ対策でも同じではないでしょうか?如何なることを期待するのか真剣に検討すべき時に来ているのでしょう。

 

9 民間力の活用
 テロ対策に関しては民間の関心も高く、色々な技術が続々と開発されています。国家としてそれらを総合的に活用し、或は開発するような施策を取るべきではないでしょうか?監視カメラが犯罪捜査に威力を発揮していますが、テロ対策にも十分に活用できるものです。又画像の集約や解析等にも優れた民間技術を活用すべきです。
 再三話しているように情報も沢山持っている筈です。

 

10 訓練について
 テロ対処訓練もこれからですね。国家レベルから国民のレベル、機能別から総合訓練、展示的訓練からブラインド訓練まで、目的や狙いを明確にして段階的に実施する必要があります。

 

11 人材の育成等
 テロ対策のプロを養成する必要もあるでしょう。まだまだ日本には危機管理文化ともいうべき概念が定着しておりません。何かが起きる度に危機管理の重要性が叫ばれてきましたので、少しづつですが、前進していると信じたいですね。

 

 今回でもって「我が国のテロ対策の現状と課題」を終わります。有難う御座いました。

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