山下塾第8弾 大災害と危機管理
(大災害から自己と組織を守る!)

山下 輝男

第3回講座 防災の基本、自助、災害時心理特性等


初めに
 第3回講座では、防災の基本、自助、災害時心理特性について説明しよう。
自助の具体的事項は項目のみに留めて詳細は他に譲りたいと思う。何故なら、本稿の読者には既知の内容だと確信するのが故に。

VG1 防災の基本
 小生が考える防災の基本とは、自助、共助、そして公助の三助の総合力の発揮ということである。三助のそれぞれには、ソフトとまたはハードの両面から検討し施策されねばならない。当然危機管理の手法上事前対策もあれば応急対策のための所要事項もあろう。この三助を幹としてそれに肉付けして骨太な防災また減災対策が為されねばならない。





VG2 自助全般
 自助として個々人が為すべき事項は、2項から7項までの内容である。非常持ち出し品として何を準備し、如何なる留意事項があるか、事態発生時にける避難はどうすべきなのか、その場合の注意事項は、交通機関の途絶等により帰宅困難者となった場合には如何すべきか、地震等に見舞われた場合の直後の行動即ち初期対応はどうすればいいのか、その一環としての救急処置は、家庭内における防災対策は、連絡手段安否確認要領等家族間で決めねばならぬ事項も多い。





VG3 72時間の壁
 一般的に災害の発災時刻から72時間が経つと生存率が急激に低下するとされ、それを72時間の壁或いは発生から72時間等とマスコミで多用されるようになった。
 阪神淡路大震災における自衛隊の人命救助の状況を見てみても頷ける点がある。閉じ込められて何日間も生存していた例もあるので、これを真実とすることには疑義があるが、一般的な救助活動の目安としては妥当なところだろう。





VG4 自助全般
 自分の命を自らが守るためには何をすべきかを纏めたものがこのスライドである。一つには被害局限・軽減・安全確保策、二つには自存自活の術、所謂サバイバル術であり、三つめは事前に確認しておくべき事項を理解することだ。
 一日前プロジェクトという運動があったが、明日大災害起きるとすれば今日貴方は何をするかを考えて貰おうというものである。あれもこれもと色々と思いつくだろう。本来ならば、それらは前もって実行しておくべき事だったのだという事に気付かせようとの試みだ。
 即ち、我々は何をすべきかを十分に承知している筈だし、その知っていることを実行するという云わば、「知行合一」の実践が肝要だ。





VG5 災害時心理特性について
 災害に遭遇した時に、個々人はどのような心理状態に陥るのだろうか?その心理的特性が災害対処に如何なる影響を及ぼすのか?災害列島たる日本では、何度となく危機管理に失敗している。例えば、避難行動に何故失敗するのか、その心理状態を腑分けすればスライドのようなものが見えてくる。
 「正常性バイアスの罠」と云われるものがある。状況を正確に理解認識できずに、「まだまだ」とか「今回も大丈夫」とか「自己過信から来る自分だけは大丈夫だ」という心理状態になるケースが多い。
 どうすれば良いかの判断が出来ないので、多数派に同調する、皆と同じ行動を取り勝ちなのも人間なるが故の弱さか?
 異常事態発生時に、人々がどういう状態になるかを分類した「サバイバル10-80-10の理論」というものがある。正常群の一員になるためには、災害の特性や非常時における対応要領の事前研究と準備、為し得れば訓練が必要だ。





VG6 参考資料の紹介
 「東京防災」とは、東京都が2015年9月に、東京都内の全世帯に配布した防災用のハンドブックである。今後、東京都を襲う可能性がある首都直下地震などへの対策について纏めてある。B6判338ページのガイドブックである。
 東京防災に記載されている「4つの備え」をスライドで紹介する。
全世帯に配布されている筈なので活用して欲しいし、都民以外でも参考になる点が多々あるので家庭に一冊は備えたいものだ。





 自助として何をすべきかを多くの人は知っている筈だが、それがなかなか出来ない。そこに人間の弱点がある。人間の弱点を知って、自らを律することができ得れば完璧だ。それを目指して精進して頂きたいものである。
 次回第4回講座は、共助にいて考えてみよう。