山下塾第8弾 大災害と危機管理
(大災害から自己と組織を守る!)

山下 輝男

第5回講座 河川氾濫対応


初めに
 第5回講座では、山下塾で初めてとなる河川氾濫等について考察しよう。災害対応の自助共助は基本的には大規模地震に準ずるものであり、詳しくは述べない。
 異常気象新時代とも云われるようになったのは承知の通りだ。水害もあれば、また高潮被害も考えられる。それらについて簡単に見てみたい。


VG1 頻発する水害等
 まずもって、この度の西日本豪雨で亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に被災された方にお見舞いを申し上げたいと思います。救助復旧活動に従事している自衛隊、警察、消防の関係者に感謝の誠を捧げると共に猛暑の被災地で行動中のボランティアの方々のご苦労に頭が下がります。
 さて、スライドに示しているが、最近とみに水害が頻発している。線状降水帯という耳慣れない気象用語もマスコミで踊っている。正に異常気象新時代である。今般の西日本豪雨は、非常に広域でしかも大量・長期と云うことで今までの集中豪雨のイメージを覆しているといえよう。
 今回も避難遅れが指摘されております。所謂正常性バイアスがあるようだ。





VG2 河川氾濫等への対処
 水害への対処については、スライドに示している通りである。リスクを知るにはハザードマップを確認すれば良い。今般の西日本豪雨で明らかになったことであるが、住民にはハザードマップが配布されていたにも拘らず、それを知らなかったという方が多かったようだ。残念なことだ。亡くならなくても良かった人が居られるのではないだろうか?ハザードマップを如何に周知させるかが今後の課題だ。
 西日本豪雨で、大規模な浸水被害に見舞われた岡山県倉敷市真備町の浸水域は、ハザードマップの通りだった。ハザードマップの有効性がいみじくも実証されたのである。災害直前及び発生後の対処もスライドの通りであるが、この当たり前のことがなかなか出来なかったというのが事実である。





VG3 荒川氾濫
 東京を直撃するかもしれない荒川の氾濫をフィクションドキュメンタリーとして荒川上流河川事務所が製作し、WEB上で公開している。
   https://www.youtube.com/watch?v=h3YylcsxOyU
 また小生が編集した短縮版はこちらでどうぞ。
   https://www.youtube.com/watch?v=STwkT0-67aA

 東洋経済オンラインの記事も参考になるだろう。
「荒川氾濫、銀座水没」は本当に杞憂なのか 荒川決壊の可能性はじわじわ増加している」
   https://toyokeizai.net/articles/-/104085





VG4 東京湾高潮被害
 東京湾の海岸保全施設は、伊勢湾台風級(中心気圧940hPa)の規模の台風襲来への対処を整備目標としているとされる。然しながら、台風の規模は自然現象であり、伊勢湾台風級を上回る台風規模が発生する可能性があることや、地球温暖化により台風の強大化が想定されていることから、室戸台風級(中心気圧911hPa)の規模の台風襲来をも検討対象とせざるを得ない。
 最大時の被害想定等は、スライドの通りである。東京沈没の悪夢だ。
 因みに、室戸台風は、昭和9年(1934)9月21日、死者2,700人以上、行方不明334人、負傷者約15,000人という日本を襲った最高レベルの台風である。





 今一度居住地域のハザードマップをチェックしておくべきだろう。リスクを知って、その対応策を検討すべきだ。河川氾濫・水害にしても、高潮被害についても地震と違ってこれらの脅威は逐次に高まってくるものであり、対処の時間は充分にある筈だが、意外に避難が遅れるケースが多い。まだまだと思っている間に堤防が決壊して逃げるに逃げられないことが多々ある。
 さて次回第6回講座では、大規模倉庫火災を取り上げる。