第九十八話 大東亜戦争で得たもの、失ったもの

山下 輝男


 大東亜戦争が敗戦により終わって、既に70年余、未だ本戦争の評価は定まらぬが、何を得て、何を失ったのかを考えてみると、評価の方向性が見えてくるような気がする。区分原理が曖昧で単なる羅列となってしまいました。ご容赦を

Ⅰ 失ったもの
(1)領土の放棄又は信託統治の終了(講和条約)
① 朝鮮の独立を承認。② 台湾・澎湖諸島の権利等の放棄 ③ 千島列島・南樺太 ④ 委任統治領:南洋諸島、南西諸島、南方等

(2)多くの人命(閣議決定で、「戦没者」について「支那事変以降の戦争による死没者(軍人・軍属及び準軍属、外地において非命にたおれた者、内地における戦災死没者等をも含む者とする。)」であると決定し、戦没者の数を約310万人としている。
(3)国内外の財産(国内の空襲等による被害、外地の日本及び日本人の財産)
(4)国家としてのプライド・矜持(日本国家の全否定により、自尊心も誇りも、矜持も、日本独自の価値観も日本の美しさ等々、全てが悪として葬られた。)
(5)国史(国史の否定) 脈々たる国家観、近現代史の全否定と書き直し
(6)日本文化の美点(恥を知り、家族を大事にし、和を尊重し、公に尽くすといったような伝統的な日本的なものからアメリカナイズにより多くの美点喪失) 
(7)世界の主要国家からの転落  国政政治における存在感希薄  回復には時間
(8)帝国陸・海軍解体
(9)自由で平和、豊かな国家
(10)軍事に対する理解→軍事的なもの忌避傾向の蔓延  反軍意識、軍事悪玉論、軍事に対する不勉強に

(図は、http://takedanet.com/archives/1013803534.htmlから転載)



Ⅱ 得たもの
(1)日本国憲法(欽定憲法改正、押し付け?100%自らの意思で起草した?)
(2)日本は素晴らしい国と世界の賞讃
(将兵の敢闘精神、自己犠牲心、愛国心、一致団結、滅私奉公、殉国精神等を見た世界は、日本は最高の国家、称賛されるべきと確信)

(3)白人優越主義絶対ならずとの意識→東南アジア諸国に燭光、期待勃然と
 結果的に彼等を勇気づけた。(第三話等)大東亜戦争を肯定的に評価している多くの国の存在)

(4)日本の天皇は他の王政国家とは違う存在であることを周知させ得た。
(5)GHQによる日本改革 (実態は洗脳教育 WGIP(第十五話)
 戦後民主主義、教育改革、神道指令
(贖罪意識や罪悪感が定着、劣等感が刷り込まれた。日本はマッカーサーの優等生)

(6)陸海空自衛隊の創設と欧米的政軍関係の適用
(7)人間天皇  権威的天皇制から象徴天皇制へ
(8)欧米諸国との友好関係の増大、日米安保
(9)(共産主義)の浸透による国論の分裂傾向、マスコミの左傾化


* 国家の生存をかけて戦った戦争であり、極めて厳しい状況になることも十分に予見される中での苦渋の選択であった。国家の尊厳・矜持を忘却しイージーな道を選択したらどうなっていたのであろうか。太った豚よりも瘠せたソクラテスを選択して良かった。

(第九十八話 了)