海軍爺さんの 「これでいいのか?日本!!」
第6回 内局と4人の幕僚長 ('09.04.01.)

海軍爺さん

 「虎の威を借る狐」と言う古い諺があるが、二十一世紀になってもそれが生きていて、猛威をふるっているらしい。変人首相だった小泉のキンタマをシッカリ掴み、一の子分のように振る舞い、勝手に自衛隊の人事にも、武器の調達にも口を出し、4年以上もわが世の春を謳歌していた男がいた。

 部外からでは具体的なことはわからないが、被害を受けた部隊や機関から色々と苦情や怨嵯の声が挙がっていたであろうに、4人の幕僚長たちは何等処置もせず、「御無理御尤も、触らぬ神に崇りなし」とばかり見逃していたのであろうか? 自衛隊でそれぞれのトップまで登りつめた各幕僚長は、「位人臣を極めた」のだから「公」のため、一肌も二肌も脱いで頑張るべきではなかったか? 制服のトップが、これはおかしい、至急処置する要があると感じた場合、参事官会議なんかブッ飛ばして長官又は大臣に直言すべきではないか! 自衛隊員は普通の官庁のサラリーマンではないのだ。平時でも、このような事案のときこそ、身を挺して諌言すべきではないか! 反骨精神も気概もないのか! 虎の威を借りた男は、うしろに首相がいると思い込み、小人なりに何をやっても恐ろしいものなしと思っていたであろうが、一旦司直に掴った後は、うしろを振り返って見ると虎の姿は影も形もなくミジメな事になっている。

 俺が現役の頃、文民統制をブンカン統制と勝手に解釈して、当時防衛局長だったKが横暴の限りを尽くしていた。当時の部長や課長はNさん以外はおとなしくて、班長だった俺が理不尽な事を言う局長と3年にわたり衝突した。正しいと信ずることには、身を挺して頑張った積りである。最近退職させられた田母神前空幕長の著書「自らの身を顧みず」を読むと、「内局という名の政治将校団が存在し、……人事権も予算権も内局が握り自衛隊をコントロールして来た……こんな防衛省は制服にとって極めて居心地の悪い組織なのである。……幕僚監部の部長と内局の局長は、組織上対等であるが、格付けには大きな開きがある、各幕僚監部の方が低いのである……」と。

 これに関連して40年前のことを思い出した。俺が統幕の2室長(海将補)のとき、ハワイの太平洋軍との会議に出張した際、JALはエコノミークラスであった。当時ホノルル支店長だった旧海軍の後輩が、「内局の30才代の課長がビジネスクラスですから、私の権限で先輩をビジネスにします。」と言ってくれたが、同行の1佐、2佐もいることであるし、好意だけを受けて辞退した。しかし、余りの差別に怒り心頭に発したが、敗戦の責任の何万分の1かを負う旧海軍軍人として我慢したが、現在も相変わらず差別されているのであれば、言語道断である。

 速やかに改善しないと精強な部隊は仲々できないゾ!

(第6回了)