海軍爺さんの 「これでいいのか?日本!!」
第25回 軍隊と自衛隊 ('10.05.15.)

海軍爺さん

 俺が中学生の頃、佐賀県に住んでいたが、当時父や祖父が新聞を読みながら話していたことを思い出すと、何だか現状が80年前に似て来たような気がする。大体佐賀県人は気が荒く、正義感が強く、政治やその他についても極めて率直な意見や不満を遠慮なく言う傾向があったようだ。その内何か起きなければいいがと大人達が心配していたが、案の定、5・15事件が発生した。その主体は佐賀県出身の海軍軍人であった。事件に対する批判は概して同情的であったようだった。具体的なことは良くわからなかったが、「昭和維新の歌」の文句にあるように、政治家や財閥がデタラメをやると国が乱れる基だと言っているようだった。
 また、2・26事件の時は、江田島の生徒であった。当日の寒い朝千代田艦橋前に総員集合を命じられ、教頭から「軽挙妄動するな!」と訓示があった。後日聞いたところでは、横須賀在泊中の戦艦に急遽出動命令が下り、芝浦沖に回航し、イザとなれば40cm砲で反乱軍を鎮圧する手筈になっていたそうである。これらの2つの事件のその後を見ると、その結果は芳しくなく、益々深みに嵌って行き、とうとう大東亜戦争に繋がって行ったような気がする。
 最近の政局を見ると、ダラシナカッタ自民党よりももっと民主党の方が悪いような気がする。自衛隊内も、「空」に田母神事件あり、「陸」に日米協同訓練時の連隊長の訓示事件あり、さらに中隊長の意見具申など何となくザワついている。「海」も以前機密漏洩や無届渡航問題などあり、最近も若干艦艇、H/Cの事故等もあったが、その後の指導よろしきを得てシャントしてきた。しかし、「空」「陸」の事案に対する内局の対応により、変なマグマが蓄積されねばいいがと心配している。
 自衛隊創設以来既に半世紀、姿、形は軍隊らしくなって来ているが、内容的には、警察官や海上保安宿の延長線上でしかなく、似而()()的部隊である。むしろ発足当初よりも軍隊的性格から遠ざかったものになりつつあるのではないだろうか?
 俺の現役の最後の頃は、左翼華やかなりし時代で、何かあれば「自衛隊反対」「税金ドロボー」と罵られ、悔し涙を流したものである。わが国の大切な根幹を固める憲法の改正一つも実施できなかったし、日本周辺の情勢悪化を知りながら防衛費を年々減額して行ったエセ保守政党の自民党の復活は全く当てにせず、一日も早く「真正保守党」を創立しなければ、日本が沈没してしまう。
 その22でも述べたが、「憲法改正」「靖国神社参拝」ぐらいはやれるような日本にして貰って、日陰者のような自衛隊をこれ又一日も早く自己完結型の正規の軍隊にして貰いたい。嘗て、三矢研究で大問題になったがもうソロソロ統幕で音頭を取って、軍隊になるために必要な諸法規、制度等を研究立案すべきではないか?
 あるいは既に始められているかも知れないが。
 軍隊が復活し、「海軍の再建」が実現すれば、その為にのみ生きて来た俺の願いが達成されるので「わが事終われり」となり、堂々とあの世で諸先輩方や戦友たちに会うことが出来る。

(第25回了)