Fine(綺麗)はFine(罰金)だ


元陸上自衛官 現星槎大学非常勤講師 森 清勇

 高山正之氏のエッセイに「支那人の証は手洟(てばな)の輝き」という一文がある(『ジョージ・ブッシュが日本を救った』所収)。中国人と台湾人は違うという所論にまつわる話である。
 台湾が瘴癘(しょうれい)の地、化外の地だった頃に本土からやってきた中国人が、現地の高砂族などの原住民と結婚し、次いでオランダ人などと混血していった。更には国姓爺合戦の鄭成功のような日本人の血を受け継ぐ者もいる。こうした結果、客家や福建などから来た同族の血縁を大事にする支那人のDNAと台湾のそれは全く違ったものになっていったというのである。
 それを証明する一つの例に日英米など9か国の租界地であった天津のプラタナスを持ち出す。幹がニスでコーティングしたように瑞々しく青く輝いて見える。不思議に思い近寄ってみると、街行く支那人が手洟をかんだ指をなすり付け、幾層にも重なって輝いていたそうである。
 今では再開発でプラタナスは無くなったが、代って道路が手洟で輝いているという。民族の特性は一寸やそっとでは変わらないと。その延長線に、支那人の植民地シンガポールの話が出てくる。



 かつて、シンガポールを歩いていたら、実にきれいな街という感じを受けた。英国統治時代のチャンギは民間人の監獄であった。日本軍は陥落させると、捕虜収容所とした。そのチャンギが今は世界一綺麗な国際空港になっている。
 シンガポールは、人工の国とも言われるように、すべてが規則で取り仕切られている。先日亡くなったリー・クワンユーが中国的ふしだらさを規則で断ち切ろうとして、唾を吐く、ごみを捨てるなどの支那人的行為のすべてに罰金を科した。
 公共物を壊したり、落書きした場合などには鞭打ちの刑を用意した。クリントン大統領時代、米国青年がこの刑を受けることになり問題化したことがあった。
 シンガポールは人為的に綺麗さが保たれているが、エレベータの一角にほやほやの人糞があったりすることもあり、罰金や体罰で息切れし、窒息して支那人の本質が出てくることもあるようだ。
 国が綺麗(Fine)なのは、罰金(Fine)があるからだと言われ、Fine is fineが合言葉にさえなっている感じを受けた。因みに、国土面積は島根県の10分の一で、戦闘機は離陸すれば国外に出てしまうと聞いた記憶がある。



 そのシンガポールの日本人墓地を訪ねたことがある。人里離れた場所で、シンガポール在住の日本人に聞いても、存在も場所も知らない人が多かった。
 電車やタクシーを乗り継いで行くと、杉良太郎が訪問した証に、名前を書いた銘板を墓地入口の路上に置いていたのには吃驚。流石に芸能人だと思うと同時に、彼の心の内を見た感じがして清々しく、親近感を抱いた。
 墓地には寺内寿一南方軍総司令官や南方で散った兵士の納骨堂、ロシアから帰国途中に亡くなった二葉亭四迷の墓などもあり、南方軍に関わったという父の遺言で墓守をしている高齢の現地人がfineに整備していてくれて有難かった。
 他方で、墓地の大分を占める「からゆきさん」の墓が倒壊し朽ちかかってちっともfineでなかったことに少なからず心を痛めた。彼女たちは、親元から遠く離れたここから健気にも日本に送金し、明治日本の富国強兵に貢献した一面をもっていたからである。

(平成27年5月8日記す)