海上自衛隊の音楽隊 その1 「東京音楽隊」

皆さんの地域や学校、あるいは職場には吹奏楽部やブラスバンド、マーチングバンドなどがあると思います。そして全日本吹奏楽コンクールやアンサンブルコンテスト、全日本小学校バンドフェスティバル、マーチングバンド・バトントワリング全国大会といった全国規模の大会を初めとしてさまざまな音楽を通じた活動が行われていると思います。

海上自衛隊にも音楽隊と呼ばれる音楽演奏を専門とする部隊が6つあります。吹奏楽団とブラスバンドとあるいはマーチングバンドの間の線引きというのはなかなか難しいと思いますが、海上自衛隊の音楽隊は基本的には吹奏楽団(プロフェッショナル)です。そして音楽隊はさまざまな活動をしており、そのときの要望やニーズあるいは演奏内容によって、そのスタイルを変えています。ジャズ・ラテンステージの場合にはビッグバンドやコンボバンドを編成したり、ミニ演奏会ではアンサンブルを編成したりもします。

先ほど、海上自衛隊には6つの音楽隊があると言いましたが、セントラルバンドである東京音楽隊、5つの地方隊に属するそれぞれ横須賀、呉、佐世保、舞鶴及び大湊の地方の名前を冠した音楽隊が配置されています。

セントラルバンドである東京音楽隊は、海上保安庁音楽隊を前身とし、昭和27年に海上警備隊が発足すると、ほぼ時を同じくして海上警備隊音楽隊として発足しました。

演奏服で勢揃いした東京音楽隊(海上自衛隊提供)

その後、保安庁警備隊音楽隊、海上自衛隊音楽隊と名称を変え、昭和31年6月に現在の名称となり、防衛庁長官直轄の音楽隊として正式に編成が認められました。平成19年1月防衛省への移行により、防衛大臣直轄の音楽隊となりました。

海上自衛隊を代表するセントラルバンドとして、今上天皇即位の礼、皇太子殿下ご成婚パレードをはじめ、オリンピック、世界陸上競技会、万国博覧会等の国家的な行事に参加しています。

昭和32年から始まった遠洋練習航海に毎年隊員を派出し編成される音楽隊は、訪問国での儀式、市中パレードあるいは市内でのコンサートなど遠洋航海に欠かすことのできない存在となっています。
また、北は北海道から南は沖縄まで全国各地での演奏活動を行っていますが、それもコンサートホールで行うような演奏会だけでなく、お昼休みのちょっとした時間に街角で行うミニコンサート、あるいは各地の行事とジョイントしての演奏などさまざまな活動を行っています。

浅草サンバカーニバルに参加(海上自衛隊提供)

赤坂水曜コンサート(海上自衛隊提供)

自衛隊音楽まつりにて:錨の隊形(海上自衛隊提供)

東京音楽隊は海上自衛隊の音楽隊だからといって演奏曲目は行進曲「軍艦」(いわゆる軍艦マーチ)だけではありません。さまざまな行進曲からクラシック、ジャズなどあらゆるジャンルに及ぶ膨大なレパートリーを持っています。

行進曲「軍艦」で思い出しましたが、東京音楽隊の功績の1つとして日本海軍の軍楽隊が吹奏楽に遺した大きな足跡を今日にまで伝えていることを挙げておきたいと思います。ただ、このことは次の機会にお話したいと思います。

さらに、海外の行事に招待されることが少なくなく、昭和44年にサンフランシスコで行われた日系移民100年祭、昭和51年のグァムにおけるアメリカ建国200年祭、平成8年のロシア海軍300周年記念行事では護衛艦「くらま」に乗艦し、ウラジオストックを海上自衛隊として初めて訪問、演奏会を行いました。

ロシア・ウラジオストックでの演奏
(海上自衛隊提供)

平成10年には釜山で開催された大韓民国国際観艦式世界音楽祭にはゲストバンドとして招かれました。
このほか、平成10年、15年に行われました日露捜索・救難共同訓練にも参加し、ウラジオストックにおいて演奏会を行いました。