地雷の恐怖から安全・安心の村へ
=カンボジアコミュニティ総合開発プロジェクト体験記=

5 国民性の違い

2008年7月1日、全ての準備を完了し今日からPJが開始です。
張り切って片道2時間半のサンハー村へのランドクルーザーの旅を終え、現場へ到着しましたが、なんと誰も来ません。
日付に間違いは無いはずだ。1時間待ち・・2時間待ち・・やはり誰も来ません。

怒り心頭に満ちた調整

急遽バッタンバンへ引き返し、CMACマネージャーに事情を尋ねる事にしました。
「今日からスタートだよね」、「そうです。今日からPJ開始です」、「何故、誰も現場に来ていないのか!」、「今日からですから、今移動命令を出しました。

1~2週間で全員集まるでしょう!No Problem 」、「問題は無いとは何事か?」私は、怒り心頭、沸騰した湯気が上がるばかりだが、CMACマネージャーは、慌てず騒がず、ゆったりと応対、何故私が怒っているのか、理解できない様子でした。

「初日からこれでは先が思いやられるな」この心配も残念ながら的中・・やっとPJが開始され、約1ヶ月が過ぎた頃、いつものように、朝からランクルに揺られて現地サイトに着くや否や、今日は給料日なので朝から全員休みとの事。

CMAC現場指揮官に「おい!それは~ないだろう?昨日の午後、貴方と調整した時は何も言わなかっただろう?」、彼は「私も今朝、給料日である事を知らされました」との答え。

意気揚々と帰隊するデマイナー

この組織は、以前給料日に強盗に会い、これを防ぐために給料日が決まっておらず急遽決めるとの事です。
仕方無いか!と引き下がったが、翌々日、着いた途端、何か雰囲気がおかしい。 隊員がそわそわしている。

指揮官に「今日は何事ですか?」と尋ねると、「選挙前なので隊員教育を午後から実施し引き続き4日間休みます。」との答え、私はただ呆然とするばかり・・・これが、この国の慣習なのだと思うが腹が立つ、毎日1時間以上スケジュール調整をやっているのは何のためかわからない。

CMAC現場指揮官に「Mr. IDETAは60歳、この際ゆっくり休養して下さい」と言われ、「お前だけには、言われたくない!俺を疲れさせているのはお前だ!」と思わず叫びたくなりました。

また、私達が日中炎天下測量作業をしていると、涼しげな木陰に吊るしたハンモックに揺られながら村人達は、「ソクサバーイ(元気ですか)」と声を掛けてきます。

「お前達のためにやっているんだ!」と当初は、腹が立ち日本語(どうせ通じません)で怒鳴り返しました。
そのうちPJが進んでいくうちに、クメールの人々は、ゆったりとしていますが、与えられた任務は、最後にはやり遂げると言う気質である事が分かりました。

そういえば、世界遺産のアンコールワットに代表される石で作られた大寺院群を築いたのもクメールの人々、この酷暑の中で日本人のように、生真面目に気ぜわしく働く事は、気力、体力が持ちません。

彼らの古き生活の知恵かもしれません。
時が経つにつれ、約束を反故にされる度に「これも仏様のお導き(ここは信心深い仏教国)、あせらずゆっくり、先は長い~、地雷処理は危険だから焦らずに」と思うようになりました。
国民性、文化、習慣、気候の違う地域の人々と協同でPJを行うことが如何に難しく根気のいるものか改めて思い知らされました。