地雷の恐怖から安全・安心の村へ
=カンボジアコミュニティ総合開発プロジェクト体験記=

8 地雷は悪魔の兵器

内戦終了後、二十数年が経過しているにも関わらず、未だ処理されていない地雷は、数百万個とも言われ、CMACが約20年にわたり、国際機関、NGOと協同して、地雷原の確認、標記、処理、啓蒙教育による地雷・不発弾被害者の削減に努めていますが、毎年地雷・不発弾による不幸な事故は後を絶ちません。

発見された中国製対人地雷

地雷は、制式地雷から、木箱、陶器、缶詰に鉄片、釘、爆薬を詰め作成した応急地雷等、多種多彩、安価で埋設後何十年も生き続け、不特定多数の人々特に子供達に危害を及ぼし続ける”悪魔の兵器”であります。

 地雷原は、その概略の位置は表示されていますが、実際に地雷が存在するのかどうか、地雷の種類、どれぐらいの数の地雷が埋まっているのかの詳細は、探知してみなければ分からず、人力探査では1時間当たり一人約10~20平方メートルしかできず、膨大な時間、隊力、経費を必要とし、内戦後約20年以上が経過したカンボジアにおいて、全ての地雷処理を完了するまでに、あと十数年必要とされています。

また地雷原の中での人力による作業のため、常に危険性をともない、またスコールにより、軽量な地雷等が安全な地域に流出してくる危険性もあります。

デマイナーによる地雷探査

私達は地雷原に立ち入る時、必ずCMACのデマイナー(地雷除去)小隊長に安全確認をします。
しかしながらCMACの隊員が使用している地雷探知機は、金属探知器でありプラスチック、陶器等非金属で作られた地雷を探知することができません。発見された地雷の中にはプラスチック製地雷もあります。

地雷除去後の確認に行く度に「出田OKだから・・・」と言う小隊長の声を聞いても、探知後の地雷原への第一歩は、非常に慎重になります。
踏み出さないとチームを組むCMACを信用していない事になり、実に複雑な心境でした。この緊張感のせいかどうかは分かりませんが、私の体重は約10kgも減りました。

アジア、アフリカ諸国において、内戦終了後、国の復興における大きな阻害要因になっているのが、内戦時大量に埋設された地雷の存在です。特に道路、橋、鉄道、発電所等の重要な施設付近、石油、鉱山等の資源地域に多く、国の復興において、これらは極めて重要な地域であり、早急な地雷処理による国土の安全化が求められています。

地雷探知・除去技術の研究・開発で世界をリードする日本の本分野での活動は、世界の平和構築活動の中で、地雷の恐怖から”安全、安心な大地”に変える大きな意義を持ち、今以上の支援をする事が、日本の国際貢献活動がより充実した効果的なものになるものと信じます。
また特に、地雷処理とインフラ整備を同時に行うプロジェクトにおいては、軍事的知識・技術は必要不可欠なものであります。
このためには、より多くの人材がいる自衛隊OBの積極的参加が望まれます。