インド洋の補給支援活動終わる

ご存知のように平成22年1月16日午前零時をもってわが国が実施してきたインド洋における補給支援活動が終わりました。
すでに多くのマスコミで取り上げられてきましたが、この機会にインド洋における海上自衛隊の活動を改めて振り返ってみたいと思います。

インド洋における補給支援活動の契機となったのは平成13年9月11日に発生した米国同時多発テロ、いわゆる9.11テロでした。
このため、国際社会の平和と安全のためにテロとの戦いを始めたことを踏まえ、わが国も憲法の許す範囲でできる限りこれを支援、協力することとされ、テロ対策特措法が成立しました。

このテロ対策特措法に基づき、インド洋における補給活動を実施するため平成13年11月9日、護衛艦「くらま」、「きりさめ」および補給艦「はまな」が佐世保を出港しました。
派遣する護衛艦の選択についてはイージス艦を派遣するかどうかでさまざまな議論がありましたが、最終的に上記の3隻が派遣されることとなり、翌平成14年3月16日までの128日間の支援任務を実施して佐世保に帰ってきました。

テロ対策特措法に基づく最後の派遣部隊の帰国行事の様子
(海上自衛隊提供)

当初は補給艦1隻、護衛艦2隻の体制で実施されてきましたが、平成17年度7月以降は警戒監視や護衛に関するノウハウの蓄積されたことや実力が向上してきたことから補給艦1隻、護衛艦1隻の体制に変更されました。
しかし、いわゆるねじれ国会の影響を受け、テロ対策特措法が失効したため、平成19年11月1日を以てテロ対策特措法に基づく支援活動を終了しました。

この間、補給艦延べ20隻、警戒に当たった護衛艦延べ37隻、その他に任務に従事した掃海母艦及び輸送艦各1隻が任務に従事し、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、ギリシャ、ニュージーランド及びパキスタンの11か国の艦艇に対し艦船用の燃料補給794回、約49万キロリットル、航空機用燃料の補給67回、約990キロリットル、真水の補給回数128回、6,930トンの実績を残しました。
同じ時期に海上自衛隊は輸送活動と被災民救援活動を実施しています。
輸送活動はタイの建設用重機をインド洋沿岸国まで輸送するため輸送艦「しもきた」と護衛艦「いかづち」が従事しました。
被災民救援は、アフガニスタンの被災民が収容されたパキスタンの難民キャンプにおいて生活関連物資のニーズがあることから、テント・毛布などを国連難民高等弁務官事務所に提供するため、支援物資を搭載した掃海母艦「うらが」が平成13年11月25日、横須賀を出港し、12月12日パキスタンのカラチ港に入港して支援物資を高等弁務官事務所に引き渡しました。
この輸送任務にはく護衛艦「さわぎり」が随伴し、「さわぎり」はこの任務終了後インド洋での補給支援活動に従事しています。

テロ対策特措法失効後も国会では議論が重ねられ、平成20年1月11日に補給支援特措法が成立し、17日には補給支援に関する行動命令が防衛大臣から発令されました。

この命令を受け、護衛艦「むらさめ」が1月24日に横須賀を、翌25日には補給艦「おうみ」が佐世保を出港し、2月21日、インド洋においてパキスタン海軍の艦艇に対し、補給支援特措法に基づく第1回目の補給を実施しました。

その後、第2次派遣部隊として補給艦「ましゅう」と護衛艦「いかづち」が派遣され、延べ補給艦7隻、護衛艦7隻が支援活動を実施しました。
補給支援特措法の失効に伴い、第7次派遣部隊をもってインド洋における支援活動は終了し、補給艦「ましゅう」と護衛艦「いかづち」は2月6日、東京の晴海埠頭に帰ってきました。

平成21年、丑年最初の補給(統合幕僚監部提供)

艦船用燃料の補給は145回、約2万7千キロリットル、航空機用燃料は18回、約210キロリットル、真水は67回、約4,200トンというのが7次にわたる補給支援特措法に基づく支援活動の実績でした。

2月6日、晴海に入港する最後の派遣部隊
左側:補給艦「ましゅう」、右奥:護衛艦「いかづち」
(海上幕僚監部提供)

入港する護衛艦「いかづち」

晴海に係留しようとしている補給艦「ましゅう」

鳩山首相も出席した帰国行事