ソマリア沖海賊対策 護衛隊の派遣

一次隊護衛艦の派遣(21年3月19日付 朝雲新聞から)

政府は三月十三日の安全保障会議と閣議で、アフリカ・ソマリア沖の海賊対処のため自衛隊法に基づく海上警備行動として自衛隊の派遣を決定。

これを受け、浜田防衛相は泉自衛艦隊司令官に対し、「保護対象船舶を海賊行為から防護せよ」とする海警行動を発出した。
十四日、呉基地から第八護衛隊の護衛艦「さざなみ」と同「さみだれ」がアデン湾に向け出港した。

これに先立ち呉基地で、麻生首相をはじめ浜田防衛相、齋藤統幕長、国会議員、派遣隊員の家族ら約千二百人が参加して出港行事が行われ、麻生首相が「諸官の任務は海賊行為を防止することであり、危険と困難が伴う新たな任務。
海自と海保の協力、政府と船舶関係者の協力、日本と各国との連携というこれまでのない大きな特徴がある。

こうした協力と連携によって困難を乗り越え、船舶の安全航行が確保されていくと確信している」と訓示、派遣部隊を激励した。

来賓として、海自部隊の現地派遣を政府に要請した日本船主協会から前川弘幸会長が出席し、海自部隊の出発に当り以下のようなコメントを発表した。

現行法の派遣では自衛艦が十分活動できないと懸念の声があるが、エスコートだけでも海賊行為の抑止に大きな収穫が期待でき、現場の乗組員に取り安心感ははかり知れないものがある。

アデン湾に赴く自衛隊員・海上保安官の方々には前例のない任務で苦労・心配も多いと拝察するが、わが国の人命・財産を保護するための尊い任務であり、皆様のご活躍とご安航を祈念する。また、海賊対処のための新法案の早期成立を強く期待する。

哨戒機の派遣(21年5月29日付 海上自衛新聞から)

海上警備行動により、ソマリア沖・アデン湾での警戒監視、情報の収集、提供等の任務を命ぜられ編成された派遣海賊対処航空隊(司令・福島博1佐、P-3C二機)は五月二十八日、北村誠吾防衛副大臣、自衛艦隊司令官・泉徹海将、来賓の西村康稔外務政務官をはじめ、派遣隊員家族約百五十人、隊員約四百人の計約七百人が見送る中、厚木航空基地から活動拠点となるジブチへ出発した。

出国行事では北村副大臣と泉自艦隊司令官から訓示、西村外務政務官の挨拶を受け、日本船主協会から花束が贈られた。
 派遣隊員百七人のうち、海上自衛艦三十六人がP-3Cで出発、残る三十七人と陸上自衛官三十四人はチャーター機で現地入りする。
現地では慣熟訓練を行い、六月の早い時期に任務を開始する見込みだ。

二次隊護衛艦の派遣(21年7月10日付 海上自衛新聞から)

ソマリア沖・アデン湾での海賊対策で、日本関係船舶の護衛活動を行っている第一次派遣海賊対処水上部隊と交代する第二次派遣部隊、「はるさめ」「あまぎり」の二隻が七月六日、それぞれの母校、横須賀と舞鶴を出港した。

 六月に成立した海賊対処法に基づき新たに外国船舶の護衛が可能になる第二次の派遣部隊は、第2護衛隊司令・在原政夫1佐を指揮官に、「はるさめ」(艦長橋向亮介2佐)、「あまぎり」(艦長・岡田岳司2佐)、隊員約四百二十人で編成、海上保安官八人も同乗する。

 七月六日横須賀基地の吉倉岸壁で行われた「はるさめ」の出港行事には、浜田防衛大臣、折木統幕長ら防衛省幹部、橋本外務副大臣、加納国交副大臣、岩崎海上保安庁長官ら関係省庁等、また来賓として、小泉元首相、中谷元防衛庁長官、宮原日本船主協会会長と派遣隊員の家族ら約五百五十人が見送った。

雨が降るあいにくの天候だったが、横須賀基地には、約三百五十人の派遣隊員の家族が見送りに訪れ、出港を前に、艦上や岸壁で乗員との別れを惜しんだ。

 午後一時から行われた出港行事で浜田大臣、続いて泉自衛艦隊司令官が派遣隊員を前に訓示し、激励した。(訓示内容:別掲)

 この後、日本船主協会から派遣部隊指揮官らへ花束が贈られ、続いて在原司令が出港あいさつで「船舶交通の保護は、わが国の国益にとって、非常に重要な活動と言う認識のも
と隊員一丸となって、同乗の海上保安官とともに任務を完遂、最善を尽くして参ります」 と延べ派遣隊員は、軍艦マーチが流れる中「はるさめ」へと乗艦した。

午後二時、派遣部隊の家族の声援や、隊員らが見送るなか、「はるさめ」は出港、派遣隊員は帽振れ、汽笛長一声で応えた。

 横須賀を出港した「はるさめ」は、舞鶴から同日出発した「あまぎり」と海上で合流し、ソマリアに向かう。
ソマリアには、七月下旬に到着、一次隊から任務を引き継ぎ、海賊対処行動を開始する予定だ。

二次隊出港に際しての浜田防衛大臣訓示(21年7月6日)

本日、ソマリア沖・アデン湾に派遣される海賊対処水上部隊、護衛艦「はるさめ」の出港にあたり、乗組員諸官に対し、防衛大臣として一言申し上げます。

 海賊行為は、海上輸送の安全を脅かす、我々にとって死活的な問題であります。特に、海上交通の要衝であるソマリア沖・アデン湾の海賊は、日本を含む国際社会全体への脅威であり、緊急に対応するべき課題であります。

このため、国連安全保障理事会においても、累次にわたりソマリア沖の海賊行為の抑止のための協力を呼びかける決議が採択されており、二十カ国以上にわたる国々が艦艇及び哨戒機を派遣し、国際的な対応が行われております。

現在、海上警備行動により、「さざなみ」「さみだれ」の二隻の護衛艦と二機のP-3Cを現地に派遣しておりますが、私としてはソマリア沖・アデン湾における海賊対処のための自衛隊の派遣については、新法を整備して行うのが筋であり、海上警備行動はあくまで新法整備までのつなぎ、すなわち当面の応急処置であると述べてきました。先月成立した海賊対処法は、諸官がソマリア沖・アデン湾に到着し、活動を開始する今月後半には施行されることとなります。

この法律により自衛隊には、日本関係船舶だけでなく、外国船舶をも海賊行為から守ることが新たな任務として付与されることになります。
私としては新法施行後、速やかに新法に基づく命令を発出したいと考えております。
 海上警備行動であれ、新法に基づく海賊対処行動であれ、諸官がこれから携わる任務は、大変厳しいものであります。
しかし、諸官は新法に基づく任務についても必要な準備を完了しております。これまでの訓練の成果を活かし、国民の大きな期待を胸に、国の代表として、頑張ってもらいたいと心より念願するものであります。

 また、ご家族の皆様におかれては、わが国から遠く離れた異郷の地で活動する隊員の留守を預かることとなり、ご心配、ご苦労もいかばかりかと拝察いたします。防衛省は、隊員諸官が安んじて任務に専念できますよう、万全の態勢を整えて参りますので。
ご家族の皆様には何とぞご理解を賜りたいと存じます。

 最後に、乗組員諸官が派遣部隊指揮官・在原政夫1佐、護衛艦「はるさめ」艦長橋向亮介2佐の卓越した指揮・統率の下、常に高い士気をもって任務に精励され、全員が無事に帰国することを、ご家族の皆様とともに心から祈念し、私の訓示といたします。

二次隊出港に際しての泉自衛艦隊司令官訓示(21年7月6日)

本日、第二護衛隊司令・在原政夫1佐を指揮官として、橋向亮介艦長率いる護衛艦「はるさめ」を当地、横須賀から、また岡田岳司艦長率いる護衛艦「あまぎり」を舞鶴から、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のため、海上における警備行動の令により、それぞれ派遣する。

諸官は、すでに派遣されている第八護衛隊からその任務を引き継ぎ、今月末には、遥か彼の地において、商船の護衛等の活動に従事する予定である。

すでに派遣されている派遣海賊対処水上任務部隊は、今年三月末に任務を開始して以来、三ヵ月以上にわたり、百隻以上の商船を護衛した。その成果は商船運航関係者を始め部内外から高い評価を得ている。
また、五月には派遣海賊対処航空隊を派遣し、諸外国の部隊とともに、安全な海上交通の維持に貢献している。

諸官も承知のとおり、国際社会は結束してソマリア沖・アデン湾における海賊行為に対処しているところであるが、わが国においても、去る六月二十四日、「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」が制定され、この新たな法律による対処行動が、近く命ぜられることとなる。

これまでの海上警備行動による活動よりも、更に幅のある権限が付与され、柔軟な対応が可能となる。
このことは、わが国のみならず他国の商船をも守り、海賊を根絶し、安全なる海上交通及び海洋の自由利用を確保するという、わが国の強い意志を世界に示すものである。

輸出入の九十九%以上が船舶による海上輸送であるわが国において安全な海上交通の確保はわが国の反映、生存を支えていると言っても過言ではない。諸官は、各国から派遣されている部隊と共に、わが国の国益のみならず、他国の商船をも含めた海洋の自由利用を確保するという重大な責務に強い使命感と確固たる信念を持って、在原司令の指揮の下一致団結、その実力を遺憾なく発揮し、それぞれの職責を果たしてもらいたい。

また、それはわが国さえ良ければよいといった考え方を廃し、広く世界に貢献することを意味することを忘れてはならない。
国内で留守を預かられるご家族の皆様におかれましては、本派遣の間、何かと御不自由をお掛けすることと思いますが、国民の期待を一身に背負ってソマリア沖・アデン湾に赴き任務を果たそうとする御主人・御子息・御兄弟を大いなる誇りとされ、無事の帰国をお待ちいただきますようお願い申し上げます。

また、本日お見送りにお越し下さいました関係各位におかれましても、引き続き御理解御支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
最後に、波濤を越え灼熱の海域での長期に亘る任務に赴く隊員諸官には、健康に十分留意し、元気な姿で総員が無事帰国することを祈念すると共に、任務の達成と武運長久を祈り、今次派遣に際しての訓示とする。

航空部隊出発に際しての北村防衛副大臣訓示(21年5月28日)

本日、海上警備行動に基づきアフリカ・ジブチへ派遣される海賊対処航空隊の出国行事に当たり、隊員諸官に対し、防衛副大臣として一言申し上げます。

昨今のソマリア周辺海域における海賊事案の急増・多発は、我が国を含む国際社会への脅威であり、緊急に対応すべき課題です。このため、国連安全保障理事会においても、ソマリア沖の海賊行為の抑止のための協力を呼びかける累次にわたる決議が採択されており、二十カ国以上にわたる国々が艦艇及び哨戒機を派遣し、国際的な対応が行われています。

ソマリア周辺海域は、アジアと欧州を結ぶ海運の要衝であり、年間二千隻を越す日本の関係船舶が通航しています。こうした海賊において、我が国国民の人名・財産を保護することは、政府の重要な責務です。このため、本年三月から、防衛省・自衛隊は、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のため、二隻の護衛艦を派遣し、日本関係船舶の護衛を実施しています。

今般、派遣される諸官の任務は、海賊対策の一環としての空からの広域的な警戒監視・情報収集活動です。その活動は、保護対象船舶の護衛という重要な責務を実施する上で欠くことのできないものであり、我が国にとって極めて重要なものです。統合任務部隊として初の国外任務となりますが、隊員諸官におかれては、国の代表として、平素の訓練の成果を遺憾なく発揮され、立派に任務を遂行することを期待します。

また、ご家族の皆様におかれましては、我が国から遠く離れた異郷の地で活動する隊員の留守を預かることとなり、御心配、御苦労もいかばかりかと拝察いたします。
防衛省は、隊員諸官が安んじて任務に専念できますよう、万全の態勢を整えて参りますので、御家族の皆様には、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。

最後に、隊員諸官が、派遣海賊対処航空隊司令福島博1等海佐の卓越した指揮・統率の下、常に高い士気をもって任務に精励され、全員が無事に帰国されることを、ご家族の皆様とともに心から祈念して、私の訓示とします。

現地隊員からの声

五島浩司 第一次派遣海賊対処水上部隊指揮官(1等海佐)

「われわれに課せられているのは“完封勝利”。一瞬たりとも気の抜けない日々が続いています」

われわれ派遣海賊対処水上部隊の任務は、アデン湾を推奨航路に沿って航行する日本関係の船舶を海賊の襲撃から守ることです。
任務開始直後にまず驚いたのは、緊急通信を受信することが多いことでした。それは商船船長からの「海賊に追われている!軍艦よ、助けてくれ!」という悲痛の叫びです。
海賊は軍艦やヘリコプターの姿を見ると襲撃をあきらめることがおおいので、われわれも護衛任務に支障のない場合は、まず確認のために護衛艦かヘリコプターを向かわせています。

しかし難しいのが海賊船の識別です。海賊はダウ船と呼ばれる木造帆船や漁船を「母船」として使い、これに対戦車ロケットや機関銃等の襲撃武器GPSやレーダー等の航海機器およびスキフと呼ばれる襲撃用の小型ボートを搭載しています。
ところがアデン湾では漁業でもダウ船やスキフが使われているので、護衛艦から海賊と漁船を識別することは至難の業です。もっとも有効な手段はヘリコプターによる上空からの船内確認です。

発見した小型目標は一つ一つ地道な確認作業を繰り返すのですが、船内やシートの下に隠した武器は見えません。
この任務は、野球で言えば”完封勝利”が課せられています。
1点与えた段階でゲームセット、海賊に一度乗り込まれたら逆転はありません。
しかも野球なら9回、27人の打者を打ち取ればいいのですが、海賊はいつでも、どこでも、何度でも攻撃してきます。
漁船群の中に紛れ込んだり、夜陰に乗じることもあります。
そもそも海賊には「ルール」自体が存在しないのです。
一瞬でも集中力を切らしたら負けです。

私自身は災害派遣経験もなく、約30年間、国民の皆さまから「ありがとう!」と声を掛けていただいたことがありません。
それが今、われわれは護衛が終わるたびに全ての船舶からお礼の言葉やメールをいただいています。
隊員は長期間家族と離れて猛暑・砂塵の中で黙々と汗を流していますが、これらのメッセージはわれわれにとって何よりの「栄養ドリンク」であり、ストレス発散にも役立っています。「完封勝利」への道程はまだまだ続きますが、最後まで気を抜かずに頑張ります。

(「MAMOR」(扶桑社)9月号から)

溝江和彦 さざなみ艦長(2等海佐)

麻生内閣メールマガジン第34号に溝江艦長のコメントが掲載されました。防衛省・統合幕僚監部「ソマリア沖アデン湾における海賊対処のための活動特設ページ」から参照できます。
http://www.mod.go.jp/jso/kaizokutaisyo.htm

井村博英 護衛艦さざなみ127ミリ機関銃員長(2等海曹)

甲板上に装備されている12.7ミリ機関銃員長として、見張り、警戒を実施しています。海賊の出現に備え、機関銃と弾薬の準備を調え、防弾チョッキと防弾ヘルメットという装備を身に付け、警戒態勢を維持しています。派遣前にソマリア沖、アデン湾の状況はニュースなどで知っていましたが、実際に現地で海賊襲撃事案などが連日のように発生していることに驚きました。不審な船舶が現れたとき、乗員一人一人が躊躇することなく、配置に付き役割を果たしている姿は印象的でした。心の支えはいちばんに妻です。親族や友人からの「がんばって」のひと言も励みになっています。

(「MAMOR」(扶桑社)9月号から)

廣田 真 哨戒ヘリコプター航空士(2等海曹)

私は、護衛艦「さざなみ」搭載の哨戒ヘリコプターSH-60Kの航空士としてソマリア沖・アデン湾での海賊対処のための海上警備行動に従事しています。本年3月30日の第1回護衛時には、商船護衛のためのフライトに従事しました。

 わが国から約6,500海里(約1万2,000km)離れた海上交通の要衝(ようしょう)であるアデン湾において、護衛艦「さみだれ」および「さざなみ」に前後を護衛された5隻の商船を上空から見渡した時、大きく感動したことを覚えています。

 今回の任務における哨戒ヘリコプターの重要な役割の1つは、機動性を生かして、現場周辺の状況を迅速かつ正確に指揮官に報告することです。私の航空士としての主な業務は、双眼鏡、レーダー、赤外線暗視装置、デジタルカメラなどを用い、両手、両目、両耳を駆使して、海賊の疑いのある小型目標を探知し、その情報を母艦に報告することです。

また、商船に近づく小型船舶に対しては、指向性大音響発生装置(LRAD:Long Range Acoustic Device)を用いて呼びかけを行うこともあります。これまで、これらの装備を使って一所懸命訓練してきたため、与えられた任務の遂行についての不安は全くなく、むしろ欧州、中東およびアフリカ地域とわが国を行き来するわが国にとって重要な船舶を自ら直接護衛することができる今回の任務に従事でき、大きな誇りとやりがいを感じています。

 フライト中には、国際VHFから「海賊らしい小型目標が近づいている。」などの内容の通信が流れてくることもあり、いつでも対応できるよう常に緊張感をもって任務についています。
また、現場は気温が35℃を超える灼熱の日もあり、1回のフライトを終えると全身が汗びっしょりになります。

 このように、毎回の飛行作業は肉体的にも精神的にも過酷ですが、護衛が終わり離れていく商船からの「ARIGATOU!!」というメッセージを見ると、その疲れも解消される思いがします。
 わが国から遠く離れた海域での長期の行動であり、家族と離れる寂しさはありますが、アデン湾の満天の美しい星空を眺めてその寂しさを癒しつつ任務を完遂し、今回の行動で得た貴重な経験を、ヘリコプター航空士としての今後の勤務に役立てていきたいと考えます。

(平成21年度防衛白書(防衛省)から)

福島 博 派遣海賊対処航空隊司令(1等海佐)

「現地に到着した際は、各国からともに闘う仲間として熱烈な歓迎を受けました」

われわれ派遣海賊対処航空隊の任務は、この重要な海域において、わが国関係船舶の航行の安全確保に寄与するため、P-3Cにより広域の警戒監視、情報の収集及び提供を行うことです。
アデン湾は非常に広大であり、ここを遊弋(船が水上をあちこち動き回ること)する海賊に有効な対処するためには、各国間の情報の共有および連携等が必要です。そのため、ここジブチには現在、アメリカ、フランス、ドイツ、スペインの各国が哨戒機を派遣し海賊対処に取り組んでいます。われわれがジブチに到着した際には、彼等から熱烈な歓迎を受けました。

これは、国際社会共通の敵である海賊に対し、ともに闘う仲間として迎えられたのだと受け止めています。
各国が、海賊対処で共同歩調を取るなか、今回のわれわれの派遣は、彼等とともに海賊の脅威から国民の生命、財産を守るというメッセージを国際社会に送ったという点で重要な意味を持つものと考えます。

実任務における指揮において留意している点は、過去には海賊がロケット砲で商船を攻撃したこともあるように、海賊はさまざまな武器を持っており、任務中にわれわれが海賊側から攻撃を受ける可能性も排除できません。
このため、隊員には、あらゆる不測の事態にも対応できるように、十分な準備を実施させた上で任務に臨ませているところです。

(「MAMOR」(扶桑社)9月号から)

多島 第1/2対潜員(3等海曹)

私の仕事は音響対潜員というもので、普段は海面下にひそむ潜水艦を探していますが、今回の任務で航行船舶の状況報告や見張りなどを実施しています。

初の実任務ということと、海賊が武器を所持しているということで、フライト中は常に緊張の連続。日中50℃近くなる環境での作業は非常に大変ですが、自分がチームと一体となって任務に集中しているとき、自分の任務の重要性とやりがいを感じています。

海賊に対処するための派遣は初めてのことなので、家族はソマリア沖・アデン湾の苛酷な環境と、環境の変化で私が体調を崩さないかと心配していましたが、精いっぱいのエールとともに送り出してくれたので、その応援の気持ちが任務の支えになっています。

(「MAMOR」(扶桑社)9月号から)

護衛された船舶からの感謝の声

防衛省・統合幕僚監部特設HPでは護衛された船舶から海賊対処水上部隊に寄せられた感謝のメッセージを紹介しています。
http://www.mod.go.jp/jso/thankful_message.htm