自衛官に聞く
東日本大震災出動指揮官インタビュー(5) 中央即応集団司令官 日髙 政広 陸将
「自衛隊・中央即応集団とは・・・」
(第1回)

 あの「3.11」から1年半。自衛隊の救援活動で一般にはあまり知られていない陸上自衛隊中央即応集団の指揮官に対するインタビューを3回に分けてお届けします。
 今回は「東日本大震災出動指揮官インタビュー(5)」として、中央即応集団司令官の日髙政広陸将にお聞きしました。

(インタビュアー:山下輝男理事)

中央即応集団司令官 陸将 日髙 政広ひ だ か まさひろ

昭和32年宮崎県出身。
防衛大学校卒(23期)。
第12師団司令部第3部長、陸上幕僚監部防衛部編成班長、
第5特科連隊長、陸上幕僚監部厚生課長、富士学校特科部長、
北部方面総監部幕僚副長、第1特科団長、
中部方面総監部幕僚長兼伊丹駐屯地司令、第6師団長等。
現在自衛隊中央即応集団司令官(朝霞)
―一中央即応集団(CRF)は16大綱に基づき平成18年度末に編成された防衛大臣直轄の機動運用専門部隊ですが、その創設の経緯、任務及び編成の概要を簡単に説明して下さい。
日高: 説明致しましょう。
(1)創設の経緯
 CRFは、ゲリラや特殊部隊による攻撃等の各種事態が生起した場合に、事態の拡大防止を図るため、国内においては機動運用部隊や各種専門部隊を管理し、事態発生時に各地に部隊を迅速に派遣できるよう、また、国外においても国際平和協力活動等のための部隊を迅速に派遣できるように創隊されました。
(2) 任 務
 国内任務においては、空挺、航空輸送、特殊作戦、化学武器・生物武器防護等の各種専門機能を有する部隊を一元的に管理・運用するとともに、国内各地域において作戦を主宰する方面隊に対し、CRFに隷属している部隊を提供します。
 国際任務においては、統合幕僚監部、陸上幕僚監部、各方面隊及び海空自衛隊と総合的な調整を実施するとともに、防衛大臣の命令により派遣部隊を指揮します。
(3) 編 成
 CRFは、国内外における様々な任務を遂行するため、第1空挺団、第1ヘリコプター団、中央特殊武器防護隊などの各種専門部隊と、国際平和協力活動等においては先遣隊として活躍する中央即応連隊、また、国際平和協力活動等に係る教育訓練を担任する国際活動教育隊、生物剤感染患者の応急治療を実施する部隊として陸上自衛隊で初めて編成された対特殊武器衛生隊及び司令部と司令部の管理・業務支援・通信支援を行う司令部付隊から編成されております。


―一CRF創隊以来の活動実績を教えて下さい。
日高: 表に基づいて説明致します。
 先ず、国際任務の活動実績についてですが、 国際活動においては、国連ネパール政治ミッションへの要員派遣を皮切りに、本年1月に部隊派遣した国連南スーダンミッションをはじめとする現在遂行中の任務を含め、13カ国に延べ約3000名の部隊及び要員を派遣して参りました。詳細は表にある通りです。
 次に災害派遣の実績ですが、初年度以降の各年度毎の災害派遣実績は表にお示ししている通りです。
 また、表の最後には、東日本大震災災害派遣に関する活動実績を特記しております。給水、放水及び除染活動を実施しました。一般の方々には、放水や除染活動は馴染のない活動でしょうね。放水についてはTV放映で見て頂けたものと思います。

CRF創隊以来の活動実績

 (1) 国際任務の活動実績について


 (2) 災害派遣の活動実績について


―一東日本大震災について具体的にお聞き致します。先ず、今般の東日本大震災におけるCRFの活動の概要を教えて下さい。統合任務部隊(JTF-TH)との関係も併せてお願い致します。
日高:  活動の概要ですが、3月11日の発災後、ただちに第3種非常勤務態勢に移行し、3月14日、原子力災害派遣活動を開始しました。
 主な活動内容は、福島第1原発への空中・地上からの放水、炉心温度測定(サーモグラフィ)支援、除染活動、前方組織の編成及び統制・調整活動、空中・地上モニタリング及び行方不明者捜索支援です。
 また、第1空挺団は3月16日からJTF(12B)に配属され、行方不明者捜索活動等を実施しました。そして、CRFとしては7月20日に陸災部隊(東北方)に任務移管し、活動を終結しました。
 その後、原子力緊急事態に対する支援活動等として、第1ヘリコプター団が原発緊急時の東京電力職員等の空輸待機、中央特殊武器防護隊が緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)への連絡幹部の派遣(化学学校との輪番制)を実施しましたが、12月26日、自衛隊としての原子力災害派遣活動の終了に伴い、同活動を終了しました。
統合任務部隊との関係は表を見て頂ければお解り頂けるかと思います。協同の関係にあって、夫々の役割は表の通りです。CRFの役割任務には、福島県に対する支援と東京電力に対する支援があり、夫々は表の通りでした。

(第1回了)