第3回:テーマ2『災害派遣・原子力災害派遣』(その1)
チャンネルNippon編集局
 猪狩先生:すでにお知らせしたとおり、今回からはテーマ2「災害派遣・原子力災害派遣」として、東日本大震災に焦点を当て緊急特別講義を行います。
 講師はチャンネルNipponで山下塾を開いている危機管理のスぺシャリスト、元自衛官の山下輝男氏です。山下講師の豊富な経験に基いた分りやすい講義が聴けるものと思います。それでは山下さん宜しくお願いします。

山下講師:3月11日1446に惹起した東北地方太平洋沖地震に対し、自衛隊は直ちに即応し、大規模震災災害派遣命令及び原子力災害派遣命令を発令して10万人を超える体制で活動中です。
 私の友人でもあります猪狩先生から本講座の緊急特別講義の機会を与えられましたので、今回から数回にわたり、「自衛隊の行動」の中でも活動範囲が非常に広い「災害派遣」について、特に現在実施している東日本大震災に対するの災害派遣活動を中心に説明したいと思います。
 説明項目はスライドに示す通りですが、情報がまとまり次第逐次追加する予定です。
 先ず、最初に自衛隊の災害派遣一般について説明し、その後メインの今次大震災に係る災害派遣について説明することとしますので、御了解頂きたいと思います。


保クン:自衛隊の災害派遣は法律で定められているのですか?
山下講師:災害派遣は、自衛隊法に規定されている自衛隊の行動の一つですが、自衛隊法第83条第2項に規定されており、「従たる任務」とされています。対象となる事態、行動要件及び認められる権限等はスライドの通りです。

カオルさん:災害派遣にはどんな種類がありますか?
山下講師:本スライドは、災害派遣の種類について説明しています。今般の災害派遣は、2項及び3項に該当します。

山下講師:本スライドは、前のスライドで示しました災害派遣の要請権者及び命令権者を示しています。

カオルさん:災害派遣の際の指針のようなものはありますか?
山下講師:自衛隊の災害派遣に関する原則は、本スライドに示すようなものになるではないでしょうか。

さくら女史:自衛隊の他にも警察や消防も災害時に派遣されると思いますがそれぞれの役割などどんな違いがありますか?
山下講師:自衛隊の災害派遣の特色を列挙すれば、スライドのようなものになるのではないでしょうか。近年でこそ、人命救助システム等災害派遣用の資器材も充実して来ましたが、自衛隊が保有する資器材・装備品はあくまでも防衛専用品であり、その専用品を活用するということになります。警察や消防にない重要な機能が自己完結機能です。しかしながら、ある面では鈍重であることも否めません。その鈍重さを克服すべく色々な施策がとられています。

安田社長:今回のような大規模な自然災害の他にも色々な災害時の派遣もありますよね?
山下講師:では、災害派遣の対象とする事態や活動内容について説明しましょう。本スライドは、災害派遣の対象とする事態には、自然災害の他には、地下鉄サリン事件のような事件や事故、予防的派遣ともいうべき災害も考えられます。災害派遣のうち、圧倒的に回数の多い離島からの急患空輸は純然たる災害派遣ではなく、社会的欠陥の是正のための行動と解されています。

さくら女史:災害派遣時の具体的な活動について教えてください。
山下講師:災害派遣の現場では如何なる活動が行われるのでしょうか?それを示したのが、このスライドです。実際はもっと様々な活動が行われています。私が参加した阪神淡路大震災では、倒壊家屋処理(瓦礫処理)、物流管理、天幕支援、パトロール、生ゴミ処理、ブルーシート展帳支援、御遺体の輸送(空輸含む)、慰問演奏等を行いました。これ等が純然たる災害派遣の範疇かというと一寸違うのかもしれませんが、それでも被災者の状況を見るにやらざるを得ない否やるべきだとの思いが沸々と湧き上がるのでした。

カオルさん:こういった災害時には自衛隊はすぐに来てくれるのでしょうか?
山下講師:阪神淡路大震災においては自衛隊の出動が遅いとの論がありました。その足枷が災害派遣の要請にあるとも指摘され、自主派遣について種々検討されました。このスライドは、自主派遣の条件等について説明しています。

さくら女史:阪神淡路大震災の経験が生かされているのですね。
山下講師:阪神淡路大震災以降、自衛隊の即応態勢も見直されました。陸・海・空自衛隊の即応体制を、スライドで順次説明致します。



Mr.フォーク:これまでどんな災害で派遣されたのですか?
山下講師:次に災害派遣の実績ついて説明します。今までの最大規模の災害派遣は、阪神淡路大震災災害派遣、長期にわたる派遣としては、雲仙普賢岳の噴火に伴う派遣でしょう。

保クン:そんなに沢山あったんですね。
山下講師:阪神淡路大震災以降の主要な災害派遣を示します。阪神淡路大震災以降、年度平均の災害派遣件数及び派遣延べ人数は増加傾向にあるのが、スライド右下の表で確認できるものと思います。


安田社長:地域ごとの派遣回数の内訳などはありますか?
山下講師:このスライドは、要請者別の平成17年度以降の急患輸送の実績を示しています。離島を多く抱える沖縄、鹿児島、長崎が圧倒的に多いですね。東京都にも離島があり、年間40件程度の急患輸送を行っています。海上保安庁では2管(概ね東北地方太平洋延岸)と3管(関東東海地方沿岸)が多いですね。海難事故が多いということでしょうか?

安田社長:災害現場における地方自治体との連携は大変だと思いますが?
山下講師:災害派遣においては、地方公共団体との連携が極めて重要です。効果的な災害派遣活動を行うためには、スライドにお示ししたような施策を具体的に進めることが重要であると考えます。

Mr.フォーク:最近あった大規模な活動にはどんなものがありましたか?
山下講師:平成22年度に実施した「口蹄疫への対応に係る災害派遣」を説明しましょう。派遣部隊、派遣規模及び主な活動を、このスライドに示します。活動状況の写真を見て活動の一端をご理解ください。








(第3回了)