日米共同訓練(陸上自衛隊)
1 全般

陸上自衛隊は、日米共同訓練については、後発です。
陸上自衛隊の日米共同訓練は、昭和56年度(1981から開始され、通信訓練、指揮所訓練を行ないました。以降、訓練規模及び実施回数を適正レベルに設定しつつ、訓練内容の充実を図りつつ現在に至っており、陸自としても参加した隊員にとっても非常に有益であります。

指揮所訓練は、陸幕、方面隊等の指揮幕僚活動における相互調整要領を演練する目的を持って、概ね年に2回、米国及び日本で行っています。各方面隊が持ち回りで担任しています。

実動訓練は、当初は相互の意思疎通・情報交換等のための通信訓練でありましたが、機能別の訓練を積み上げ、特科部隊の射撃や近接戦闘部隊の射撃更には積雪寒冷地における訓練をも取り入れて相互連携要領を演練して参りました。また、陸自も多様な事態に即応する必要性が高いことから、訓練内容も市街地戦闘訓練や離島侵攻対処に係る訓練等と情勢に応じ、逐次に多彩となりつつあります。

陸上自衛隊の共同訓練の相手は当初は米陸軍のみでありましたが、昭和59年度からは米海兵隊との実働訓練も行われるようになり、米陸軍とは異なる軍種から陸自が得るものも多いと認識されています。

2 陸自の日米共同訓練体系
日 米 共 同 訓 練 区 分
部隊実施部隊のレベル
指揮所演習(YS)
日米共同方面隊指揮所演習 方面総監部師団・旅団司令部
実動訓練(FTX)
国内における米陸軍との実動訓練 普通科連隊基幹
国内における米海兵隊との実動訓練 普通科連隊基幹
米国における米陸軍との実動訓練 普通科連隊基幹
米国における米海兵隊との実動訓練 普通科連隊基幹

注1:YSとは、YAMA SAKURAのYとSをとって指揮所演習の略称名としたものであります。
YAMAは富士山、SAKURAは日本を象徴し、自衛隊を象徴しています。
注2:FTX=(Field Training Exercise )

3 日米共同指揮所演習について(平成21年度末)

(1)目的
陸上自衛隊及び米陸上部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における方面隊以下の指揮幕僚活動を演練し、その能力の維持・向上を図ることを目的としています。

(2)実 績
昭和56年度以降57回実施

(3)特色
 米国及び日本で各一回実施しています。

 参加規模は、米国で実施の場合は、計画作成等が主であるため、日米それぞれ100名余りです。
日本で実施の場合は、指揮機関を実設して各級のレベルの指揮幕僚活動の相互調整要領を演練する為、日本側は3,000名から4,000名に及び、米側は千数百名程度であります。

 日本側は、各方面隊が持ち回りで担当しています。
因みに、最近の担当方面隊は、次の通りです。
H14:北部方面隊、H15:東部方面隊、H16:東北方面隊
H17:西部方面隊 H18:中部方面隊、H19:東北方面隊,
H20:東部方面隊,H21:北部方面隊(YS―57)

(4)訓練風景

4 米陸軍との実動訓練

(1)国内における米陸軍との実動訓練

ア 目 的
陸上自衛隊及び米陸軍の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における相互連携要領を実行動(指揮機関訓練を含む。)により訓練し、相互運用性の向上を図ることを目的としています。

イ 実 績
昭和57年度以降51回実施

ウ 特色等
(ア)夏季及び積雪寒冷時期の年二回実施しています。
(イ)部隊規模は、1個戦闘団基幹(二百名程度から数百名規模)であります。
(ウ)訓練相手の米軍は、現役部隊、予備役、州兵と様々です。

エ 訓練風景

(2)米国における米陸軍との実動訓練

ア 目 的
効果的な訓練施設等を有する米国に部隊を派遣し、機動と火力を連携した諸職種協同要領及び日米による相互連携要領を演練し、もって戦闘団等の総合戦闘力発揮のための能力向上を図ることを目的としています。

イ 実 績
平成14年度以降8回実施

ウ 特色 
(ア)平成14年度以降から市街地訓練等に関する戦術及び戦闘要領を演練する目的で実施しています。
(イ)派遣される部隊規模は1個中隊規模です。
エ 訓練風景

5 米海兵隊との実動訓練

(1)国内における米海兵隊との実動訓練

ア 目 的
陸上自衛隊及び米海兵隊の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における相互連携要領を実行動(指揮機関訓練を含む。)により訓練し、相互運用性の向上を図ることを目的としています。 

イ 実 績
昭和56年度以降46回実施

ウ 特色

(ア)夏季及び積雪寒冷時期の年二回実施しています。
(イ)陸自は、1個戦闘団基幹です。
(ウ)米海兵隊は在沖第3海兵師団隷下の1個中隊規模です。

エ 訓練風景等

(2)米国における米海兵隊との実動訓練

ア 目 的
多様な事態に即応する能力を高めるため、効果的な訓練施設を有する米国に部隊を派遣して、経験豊富な米軍から知識及び技能を吸収するとともに、相互連携要領を実行動により演練し、共同対処能力(戦術・戦闘能力等)の向上を図ることを目的としています。

イ 実 績
平成17年度以降5回実施

ウ 特色
(ア)離島侵攻対処や多様な事態に関する戦術・戦闘要領の演練等を行っています。
(イ)派遣される部隊は、1個中隊規模です。

エ 訓練風景